なぜなら、ソフトにこういったことを言われているように感じるからです。
『あなたの息子さんが、家計に必要なお金をもらってきてくれないから、私が働きに出なければならないんです。だから、どうしても家のことが手薄になってしまうんですよ。
お義母さん、そこまでいうなら、家事や孫の育児を手伝ってください』
ここで、一気にたたみかけて、おうちのことやお子さんの面倒を見てもらいましょう。
「妻として母として未熟だとは思っていますが、どうしても外でお金をいただく形をとると、おうちのことまで気が回らないんです。
お義母さん、ご無理にならないときで結構なので、夕食の時に〇〇さんが好きな料理を一品作ってくださったりしていただくことは難しいでしょうか。私も〇〇さんが好きな味を勉強したいので、教えていただけるとうれしいです」
お義母さんも、現役を引退したとはいえ、母であり主婦であるという自負があるはずです。後輩であるあなたから、外堀を埋められたうえに、指導を求められると、動かないわけにはいきません。
これがうまくいけばあとは簡単。
これは交渉事のセオリーと言われている方法で、大昔からある技法です。
キリスト教の聖典とされている旧約聖書にも、同じような手法の交渉エピソードがありますね。
不品行な行いばかりをしている人が集うソドムという町がありました。
あまりにも神様の目に余るため、ついに神様はソドムという町を滅ぼすことを考えます。
それに気づいたアブラハムという人物が、「神様は正義を実現する存在なのに、もしソドムに50人の正しい人がいても滅ぼすのですか?」という、神様からしてみれば痛い質問を投げます。
神様は、「もし、50人の正しい人がいるなら、ソドムの町を滅ぼさない」と約束するのですが、アブラハムは、あれこれ丁寧な言い方で交渉を重ねて、ついには神様に、「10人の正しい人がいるなら、ソドムの町を滅ぼさない」ことを約束させます。
つまり、怒りにふれた神様を納得させ、最初の契約条件から5倍の条件を引き出したわけです。
この方法は、現在でも十分応用できます。
- できるだけこちらがへりくだって、相手が反論できない状態を作り出す。
- 簡単なことからお願いして、あくまでも丁寧に、かつ、ハードルが高いお願いをして、こちらの要望を相手に飲ませる。
これを適宜、使えばいいのです。あなたの時間ができるだけではなくて、お義母さんが体力がある方ならご自分の生活の中での張り合いが出てきて、家庭のムードが円満になりやすいはず。
お義母さんに、お洗濯や、晩のおかずを作っていただいたり、お子さんの面倒をちょっとの間見てもらったりすることも、喜んでやってもらえるようになるでしょう。
とはいえ、お義母さんは現役の子育てや育児から一線を退いた立場。体力的にも、あなたよりは劣っています。
家事や育児を依存しすぎず、お義母さんともいい関係を作ってくださいね。