質の高い教育を与えられるのは誰?

実はこの実験に参加したのは、親が無収入であるなど経済的に恵まれないアフリカ系アメリカンで、4分の3が実の両親に育てられていない子ども達でした。

ですから、この“アベセダリアンプロジェクト”で与えられた教育は、教師によって行われたのです。でも、もし普通に親子で暮らしているなら、生後6週間から十分な会話を与えられるのは、誰でしょうか?

そうです、先生などではなくお母さんなのです!

この研究結果からわかることは、赤ちゃんの時からどんどん話しかけること、そして就学前に、たくさんの本を読んであげることです。

もちろん、会話の内容は、子どもを否定したり罵倒したりするものではなく、子どもに自信を持たせるような、ポジティブで明るい会話がメインでなければなりません。

筆者の著書『グローバル社会に生きる子どものための6歳までに身に付けさせたいしつけと習慣』の中でも、0~1歳児への言葉がけを愛コミ(愛情コミュニケーション)と名付けて勧めていますし、具体的な会話例も紹介しています。

また、読書も、ただ淡々と話して聞かせるのではなく、質問したりして、子どもとの会話を楽しみながら、行うのがいいのです。

いかがですか?

子育てに不安を持っているママも、就学までの5年間は、一所懸命子どもと関わりましょう。極端に言えば、子どもが小学校へ行ったら、もう必死にならなくても大丈夫なのです。

就学までの接し方で、子どもが将来良い仕事に就け、年月を経ても良好な親子関係が続けられるとしたら、ママも頑張れるのではないでしょうか?

<参考>Abecedarian Project

「元日本航空CA、英語プリスクール経営者、保育士。幼児教育研究家として『日本欧米いいとこどり育児のススメ』をYouTubeでも発信。著書に『グローバル社会に生きる子どものためのしつけと習慣』『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』『モンテソ―リ教育で伸びる子を育てる』、『ホンマでっかTV』に子ども教育評論家として出演など。」