mokichi baker&sweets
次に紹介するのは茅ケ崎にある「mokichi baker&sweets」。
熊澤酒造なる酒蔵の中にあるいっぷう変わったパン屋さん。店舗は茅ケ崎と香川にあるのだけれど、せっかくなら香川店に行って欲しい。
茅ケ崎駅から相模線に乗り、2つめの香川駅から徒歩7分程度のところにある熊澤酒造。そこはもう妖精でも住んでいるのではないかと思うくらい素敵な緑の空間。
酒蔵自体は1827年と歴史も深く、地ビールはもちろん、日本酒も作っています。
酒蔵として地元の方はもちろん、多くの酒好きに愛されてきた熊澤酒造が、「mokichi baker&sweets」をオープンしたのが2000年。ビールの製造工程でロス分として出てる、栄養価の豊富なビール酵母を活かせないかとの思いでオープンしたのだそう。
あれっ? ビールの製造工程で出るものを利用したパン作りって、どこかで聞いたような。そう、冒頭でもお話した古代から19世紀頃まで作られていた製法と同じなんですよね。
私、こちらのお店には今回の取材の前に一度、6年くらい前にも訪問したことがあるのですが、その頃とは店構えも変わっておりました。どうやら2015年にリニューアルオープンしたらしく、いまは大正時代の酒の道具を収納していた土蔵倉をリノベーション。初めて来たら、まさか、倉のなかにパン屋さんがあるとは思いませんよね!
食パンやバゲットなど食事にあわせやすいパンはもちろん、小ぶりな惣菜パン、菓子パン系も充実。生地はふんわり柔らかいというよりハードベースなものが多いです。
空腹で伺ったこともあり、焼きたてのチーズパンの香りに思わず手をのばしそうになりましたが、今回の目的はベストなパンとビールの組み合わせを探すということでぐっと我慢。お店の方に一番人気のパンとベストペアリングをお聞きしました。
それが「パン・ア・ラ・ビエール」。なんと、水の代わりに湘南ビールを使用しているのだそう! ちなみにビールを使用しているのはこのパンだけ。
こちらのパンに使用するビールは日によって違うそうですが、「シュバルツ」を使うことが多いとのこと。シュバルツは年度のワールドビアカップで金賞を受賞した黒ビール。ドイツ語で「黒」を意味するバイエルン地方発祥の下面発酵ビールなのだそう。
クラストさっくり、クラムはしっとり、もっちり口どけよく、シンプルな味わいながらも心地よい苦味さえ感じるパン・ア・ラ・ビエールに、ビールの苦味もそれほどキツクなく香ばしささえ感じるシュバルツはベストマッチ。
●mokichi baker&sweetsのベストペアリングは、「パン・ア・ラ・ビエール」×「シュバルツ」
mokichi baker&sweets
住所:神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
電話番号:0467-52-6144
営業時間:10:00~17:30
定休日:第三火曜日(8・12月無休)