■センサーとアプリケーションも一新

ランニングシューズと言えば軽量性にもこだわりたいところ。従来NFFの販売していた「ORPHE TRACK」と比べ、ソールに埋め込むセンサーは約半分の大きさになりました。

20gと軽いため、走りを妨げる重量はありません。フル充電で約7時間稼働するため、さほど頻繁に充電する必要はありません。ソールにもORPHEロゴが描かれており、細かなこだわりも感じます。

アプリケーション上で確認できる情報も、新たにアップデートされました。プロネーション角度や着地位置、ストライドなどの基本情報は、従来のORPHE TRACKから引き継いでいます。そのうえで、特筆すべきなのが「評価」と「フィードバック」でしょう。

評価にはアシックスの研究データに基づいたアルゴリズムが組み込まれており、レーダーチャートで「キック効率」「ブレーキ効率」「キック力」「衝撃の負担軽減度」「ねじれの負担軽減度」が左右それぞれに段階評価されます。

アシックスではランナーのレベルを問わず、動きがダイナミックか、効率が良いか、負担が小さいかの3点が重要と考えているとのこと。そのうえでレーダーチャートに表示される5つの項目は、それぞれ以下のように分類されます。

・ダイナミック(=速いスピード): キック力
・効率(=長く走り続ける):キック効率(どれだけキックを推進力に使えているか)、ブレーキ効率(着地時にブレーキ少ないか)
・負担(怪我の予防):衝撃の負担軽減度、ねじれの負担軽減度(プロネーション負荷)

また、チャートでの評価だけでなく、走りのタイプや結果に基づくアドバイスもアプリ上で表示。自分がランナーとしてどのレベルにいるのかも、客観的に把握できます。

さらにランニング中も常にデータの収集・分析が行われ、アプリを通じた音声でのフィードバックも行われます。つまり結果を見て改善に繋げるだけでなく、走りながらフォーム改善に取り組めるということ。屋外だけでなくトレッドミルでの室内ランニングでも性能に差はなく、トレーニングの質向上に貢献してくれそうです。

“走る”フリーライター。スポーツを中心に、IT・WEBやビジネス関連などで執筆。「人生をアホほど楽しむ」がモットーのノマドワーカー。マラソンやトアイアスロンが趣味で、100km超のウルトラマラソンにも頻繁に出走。ときどき仮装ランナー。2児の子を持つイクメンとしても奮闘中。ナレッジ・リンクス(株)代表取締役。葛飾区堀切中学校・陸上部コーチ。1983年生。