新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、運動会を秋に開催する学校が多いようです。運動会と言えば、やはり徒競走(かけっこ)やリレーが大きな見せ場。「1番になりたい!」「速く走りたい!」と、練習に取り組んでいるお子さんもいることでしょう。

私は中学陸上部で技術指導を行うほか、子供向けの“かけっこ教室”も運営しています。親御さんからは「運動会が近いから」と個別に相談を受けることも増えているほか、幼稚園・保育園児や小学生のお子さんにパーソナルレッスンを依頼されることも。子供だけでなく、親もまた子供の活躍を見たいと願っているようです。

そこで、徒競走やリレーなど短距離種目を速く走るうえで、覚えておきたいポイントをご紹介します。ここでは具体的に7つに絞って取り上げていますので、練習する際はもちろん、本番でもぜひ意識してみてください。

■速く走るために抑えたい7つのポイント

1)前足に加重してスタートダッシュ

スタートダッシュはとても大切。

ここで出遅れるだけで、単距離走では大きな差がついてしまいます。

「ヨーイ、ドン!」の合図に対して瞬時に反応・動作することはもちろんですが、重要なのがヨーイの体勢。前の足にしっかり加重し、膝を曲げた状態で低い姿勢を作りましょう。

後ろ足に体重が乗った状態では地面を力強く蹴れないほか、後ろ脚を引いて前に出す動作が遅れてしまいます。

合図と同時に前足は地面を蹴り、後ろ脚は挟むようにして前へ。そして、深い前傾姿勢で飛び出すのがスタートダッシュのポイントです。ピストルの弾丸のように、素早く鋭いスタートを目指してください。
 

2)地面をしっかり反発して弾むように走る

走る動作で重要なことは“反発”です。

足が地面に着地する際、瞬間的に跳ね返すようなイメージで弾むように走りましょう。

スタートダッシュで取り上げた“前傾姿勢”がしっかり作れていると、この反発力が前へ進むための大きな推進力になります。

足が地面に接する時間は、できる限り短く。例えばトランポリンを飛ぶ際は、トランポリン側が身体を押し返すので長く着地していられません。

これと同様、走る際には足の方から地面を跳ね返すように意識することが大切です。なお、腰が曲がったり落ちたりしてしまうと、体重が乗っかって反発動作が行えない点も注意しましょう。

 

3)つま先まで使って地面を押し切る

速く走るために意識してほしい“つま先”。

着地したらしっかりつま先まで使って地面を掴み、そのまま押し切るようにしましょう。

これによってストライドが伸び、大きくダイナミックな走りが獲得できます。

平地で意識しにくい場合は、上り坂を走ってみるのがおすすめ。しっかり前傾姿勢を維持して坂道を登ろうとすると、自然と踵が上がってつま先まで踏ん張る形になるでしょう。

あるいは芝生など地面の柔らかい場所で裸足になって走ると、自分がつま先まで使って走れているか確認しやすいはずです。

 

4)腕は肘を曲げて前後に振る

走ると言うと下肢の動きにフォーカスしがちですが、腕振りも非常に大切です。

腕振りは走るリズムを作るほか、真っすぐな軸を維持するのに不可欠。また、振った際の力は腰、そして足へと伝わっていきます。

腕振りは肘を適度に曲げ、その肘を引くイメージで前後に振ります。脇が開いて横に振られたり、腕を引いたとき肘が伸びきったりしないようにしてください。横振りだと腕振りの力が横に向いてしまい、前方へ走るための力になりません。また、肘が伸びきってしまうと腕振りの力が逃げ、推進力に繋がらなくなってしまいます。

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