Photographer:Viola Kam (V'z Twinkle)

配信ライブは面白いものだということが本当に問われるのは2回目。これは僕らなりの挑戦

――演奏も良かったけれど、カメラワークもすごく計算されていて、ライブでありながら映像作品としてのクオリティが高いなと見ていて思いましたね。

田淵:生のライブとはまったく違う新しいものと考えていたので、ライブハウスの空間の中で僕たちがやってきたこととはまた別のことをやらなきゃいけないだろうなとは思っていましたね。

画面越しで見ている人がどうしたら集中が途切れないか?を考えた時に、演出やカメラワークや、配信に合わせた照明が大事だったりするのかなと思って、プロの人にいろいろ教えてもらいながら作っていったんですけど、それは新しい楽しみを一個見つけたような体験だったので、人間的にも成長したと思っているし、一回目の取り組みとしてはとても有意義だったと思っています。

――そしていよいよ、8月22日に二回目の生配信ライブ『USG 2020“LIVE (in the) HOUSE 2”』が迫ってきました。

田淵:この新しく始まった体験を一過性のものにしたくないので、楽しいものとして当たり前にあり続けるようなものにできれば、世の中がどうなろうとやれると思うし、最初の何回かは「こんなに面白いことがあるぞ」という呼び水を作ってあげるのはこちらの役目だと思っていて。

「配信ライブ、超面白いんですけど」という人たちをどれだけ生み出せるかが、僕らなりの挑戦でもあるし、頑張りたいぞという気持ちではいます。今回のセットリストはランキング31位から70位ということで、地味になる可能性はあるんですけど(笑)。その手札の中で一番面白いものを作ろうと思っています。

――そうなんですよね。事前にファンからのリクエストを募っていて、前回の配信ライブではランキング1位から30位までの中からセレクトして、今回はその下のランキングからやるということで。

斎藤:でもUNISON SQUARE GARDENは本当にいい曲ばっかりなので、上位に全然見劣りしない曲たちだと思いますよ。去年はカップリングだけのツアーとか、もっと変なことをやってきたので(笑)。今回は全然トリッキーじゃない、いつも通りのライブになるんじゃないかと思っています。

そして配信ライブは面白いものだということが本当に問われるのは、一回目ではなく二回目だという気がするので、楽しませていきたいなと思います。

鈴木:もうルーティンに入った感じはありますね。6月から準備して、第一回を7月15日にやって、成功したねという流れができたので。次もまた1か月準備してライブをするという、いいルーティンができていると思います。

Photographer:Viola Kam (V'z Twinkle)

――貴雄くんが監修して、前回大好評だったオリジナルグッズは、今回も出しますか。

鈴木:売り切れたアイテムの追加注文と、Tシャツの色違いが出ます。もともと配信ライブを家で楽しむというコンセプトでグッズを作り始めて、〈LIVE(in the)HOUSE〉というタイトルもグッズから生まれたところもあるぐらいなんですよ。

いまライブハウスが苦しい状態の中で、ライブハウス=家で生きるというふうにもとらえられるし、今の自分がまさにそうだし、ライブハウスに出れなくて苦しい自分の状況も全部まとめられる言葉だと思って、〈LIVE(in the)HOUSE〉というテーマで行こうという話になったところからスタートしたので。

コーヒーセット、ビールグラス、靴下とか、家というものをテーマにしたからこそ生まれた新しいグッズと新しい発想のライブという、いい側面もあるなということを思っています。

――ここで一つお願いがあるんですけども。いまこれを見ている人のために、「こんな曲をやるよ」というここだけのヒントを、こっそりもらえますか。

鈴木:そうですね、じゃあ「“UNISON SQUARE GARDENの機材車ラジオ”を聴いている人にはおなじみの曲をやります」ということで。

斎藤:あははは。

田淵:人気のないUNISON SQUARE GARDENのバラードの中で、意外と人気がある曲ね(笑)。もう一つおまけで言うと、インディーの曲を1曲やるということと、もう1曲、4月にやる予定だったツアーの肝にしようと思っていた曲があって。すごくかっこいい曲なのに全然やってなくて、去年一回だけ自主企画でやった曲があるんですけど、それを今回のセットリストの一番良いところに置いたつもりです。

鈴木:それでわかるかな。

田淵:わかるんじゃない? すごく良い曲なので、「ちゃんとこの曲も忘れていないよ」というアピールができればいいなと思います。