UNISON SQUARE GARDEN/Photographer:Viola Kam (V'z Twinkle)
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画面越しでもしっかりと届けた力強いメッセージ

たとえ外出自粛という緊急事態に見舞われても、彼らのように創作意欲あふれるロックバンドの歩みを止めることは誰にもできないだろう。

7月15日におこなわれた、UNISON SQUARE GARDENによる初の配信ライブ『USG 2020“LIVE (in the) HOUSE”』は、無観客のNHKホールを舞台に生配信ならではの演出を盛り込みつつ、生身のロックバンドのかっこよさを理屈抜きで見せつける、最高の証明になった。

ファンからのリクエスト上位をもとにセレクトされた、ベスト・オブ・ベストなセットリスト。クレーンを使った俯瞰撮影から手持ちカメラの超接近ショットまで、あらゆる角度でバンドに迫るカメラワーク。そして何より、無観客だろうが何だろうが、1曲に全力を注ぎこみながら全19曲を完奏したバンドのタフネス。

それは画面のこちら側にもしっかりと伝わる、「ロックバンドはこんなに楽しいんだぜ」という力強いメッセージだった。

そして来る8月22日(土)、生配信ライブ第二弾『USG 2020“LIVE (in the) HOUSE 2”』の開催がいよいよ迫ってきた。

第一回の成功を踏まえ、彼らが次にどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。「リクエスト31位から70位まで」の中から選曲されるとすでに発表されている、セットリストがどうなるのか。新たな試みに果敢に挑む3人に、現在の心境を聞いてみよう。

――まず、7月15日にオンライン生配信された『USG 2020“LIVE (in the) HOUSE”』を振り返ると、どんな感想を持っていますか。

斎藤宏介:もともと僕は配信ライブというものに対して、ストレートに言うと劣化版ライブとしか思っていなかったところがあって。

やっぱり生音の体験は、パソコンやスマートフォンを通してしまうとどうしても劣化するもので、「やって一回だな」と正直思っていた節はあったんですけども、

実際にやってみるとすごく楽しかったし、客席を利用したカメラの配置であるとか、ステージの上でカメラマンが撮るとか、配信ライブならではの楽しみの発見があって、「これは新しい別ものなんだな」というふうに気づけた、とても有意義なライブだったなと思いました。

Photographer:Viola Kam (V'z Twinkle)

鈴木貴雄:もちろん、喜びは全然違いますよね。

会話にたとえるならライブは普通の会話で、オンラインライブは壁に向かって話しかけているみたいなところがあるので、この壁の向こうで人が聴いてくれていると信じながらやるしかないんですけど、逆に言えば、お客さんの反応がなくても楽しめるか?ということで、本当に音楽が好きか?を問われている感じがしましたね。

その問いに対しては、ちゃんと「はい、好きです」と答えられた気がします。「はい」と答えるための準備はかなり頑張ったし、わからないことだらけの中で楽しめる精神状態でいることは、けっこう大変だなとは思いましたけど。

田淵智也:僕的には、バンドででっかい音を出して曲を演奏できるだけで超満足というのが、ほぼすべての答えだと思っています。好きな曲がでかい音で演奏できないというのが、僕の人生的に一番困ることだったので、それができたことで普通の生活に戻れた気がしますね。

自分の中で人生の楽しさを取り戻すぐらいには、とても良い取り組みだったなと思っています。