Photo:小境勝巳

── UCARYさんとはどういった経緯で出会ったのですか?

峯田 UCARYさんはね、シングルの『エンジェルベイビー』を作っているときに幹宗くん(山本幹宗。サポートメンバー・ギター)が連れてきてくれたの。「ノイズとか面白いの作れる子がいるんですよ」っつって。そこからのお付き合い。

すごい才能のある人。もともと音楽家庭で育ったらしくて、お母さんがクイーンとデヴィッド・ボウイの信奉者だったんだって。子どもの頃からそういう音楽ばっかり聴いてきたっていう、ミュージシャンとしては申し分ない家庭環境で育ったみたい。

UCARYさん本人はコードとか理論とかは全くわからないらしいんだけど、絶対音感を持っていて鍵盤を触っていきながら音楽を作るらしい。でも、音感がすごいから、とんでもなく良いのを仕上げちゃうっていう。

── そこは峯田さんも同じでしょうか。「ギターのコードの名前とかはよくわからない」と聞いたことがあります。

峯田 そうだね。僕もコードは全然わかんない(笑)。コード符とかを読まないから、今自分がギターのネックを握って出している音が、なんというコードなのかを知らないんだよ。

── そういうUCARYさんと峯田さんとで作るとなると、それこそお互いの共通言語という面で、苦労されたのではないですか?

峯田 いや、そうでもなかった。UCARYさんがネバってくれたっていうのが大きいと思うけど。

最初は僕がアコギでデモを録って、それをUCARYさんに送って。「これはこういう曲です」「かわいらしい雰囲気でトラックを作ってください」っつってずっとやり取りしてた。「こうしてください」「ああしてください」みたいな感じ。

UCARYさんと音を詰めている間、新型コロナウイルス感染拡大の自粛とかもあったけど、その間もメールでずっとやりとりしたりして。やがて、緊急事態宣言が解除となって、顔を合わせて改めてレコーディングして曲が完成したっていう。