[第28回]宮澤佐江、特別な出会いと思いを胸に。『Act Against Anything』チャリティイベント出演に向けて。2021年カレンダー、ファンミから誕生。

私はというと、DIVAのラストコンサートのリハーサルで行き詰まっていて、トイレでひとり、泣いていたんです。3人の顔を見た瞬間に、涙があふれてきちゃって、

「佐江ちゃん、ど…、どうしちゃったの? おいで、こっちおいで」

って、言われて。

－－以前この話が出た時、「何で同じスタジオにいたんだろう?」って、不思議に思っていたんです。

あのときは、季節も秋で、本当に苦しいときだったから、お会いできた偶然に「神様、ありがとう」って、心から思ったのを今も覚えています。

－－「地球ゴージャス」のおふたりのお名前が、初めて連載に登場したのは、2013年の秋。舞台『クザリアーナの翼』の製作発表会見を、連載の中でご紹介したのが最初でした（第32回）。ちなみに、おふたりとの出会いの思い出って、記憶にありますか?

五朗さんとは、「恋空」（2008年）というドラマに、五朗さんが出演されていて、私もちょっとだけ出させてもらっていた時に、初めてお会いしました。

同じシーンには出ていなかったので、そのときはちゃんとご挨拶はできていなかったんです。私が一方的に五朗さんのことを知っていたけど、五朗さんは私の存在は知らなくて。

だけど、「恋空」の撮影が終わって打ち上げをしたときに、五朗さんがすごく素敵なお話をして下さって、そのお話が心に響いたんです。

…どんな話だったか覚えてないんだけど、ははは（汗）

－－（笑）

ええと…、五朗さんが過去に経験してきたことや、今の若い世代の役者に向けての話だったと思うんです。

そのお話の「言葉のチョイス」にすごく感動して。「打ち上げですごくいい話を聞けた」って、その後もずっと覚えていたから。それから時間が経って、『クザリアーナの翼』への出演が決まった時、

「あれ!? 岸谷五朗さんって、あのとき素敵な話をしてくれた方だ!」

って、思ったんです。私としては、それも「ご縁」だと思うし、この方の言葉は、たくさん私の心に響くって、今も変わらず思っています。五朗さんは、

「佐江ちゃんは、『クザリアーナの翼』の本番で、一気に舞台女優に成長した」

って、会うたびに言って下さるんです。「本当かなぁ」って、思ってしまうんですが…。でも、毎回そう言って下さるし、他の方にも同じように言ってくれるのは、本当にそう感じて下さったからなんだ、って思わせていただいてます。