マスクに限らず、マウスシールドや、フェイスシールドでも、口元のたった一部分を隠しているだけなんですが、自分の前にフィルターがかかっているだけで、「嘘じゃない自分」でいられる気がしていて。

「自分をよく見られたい」というか、「好感度を上げたい」っていう思いでいることが多いので(笑)、それをずっとやっていると、いつか疲れちゃうと思っていて。

私は「わからないことを、わからない」と言えない人間で、わかったフリをしちゃったり、できないのにできているフリをしちゃったりする、ある意味「嘘」を重ねてしまうタイプなんです。それが、マスクをしているおかげで、

「それはどういう意味ですか?」

って聞けたり、ロケでずっとカメラが回っていても、マウスシールドをしているから、いい意味で、気を張らないでいられる自分がいるんです。

--でも、マスクは別として、マウスシールドや、フェイスシールドは、ほとんど透明ですが、それでもフィルター効果がありますか?

透明でも、付けているとやっぱり何かが違うんです。「人と距離を取れる」からなのかな。

--パーソナルスペースと、何か関係がありそうですね。

そうかもしれません。私自身、人のパーソナルスペースに入って行っちゃうタイプだし、入ってきやすいオーラを出しているんですが。今の状況で、「人との間隔を空けなきゃいけない」とか、「何かが自分の前に付いている」だけで、これまでとは何か違うんです。

でもそれが、ファンの人たちと触れ合う時は、邪魔になっているんですが…。表情が見えなかったり、「どう思っているのかな」とか、すごく思ったりします。

リモートでファンの人と話していても、画面越しだと「大丈夫かな」とか、「本当に皆の心が元気かどうか」わからないところはあったりするから。ファンの人たちと触れ合うときは、マスクとかはすごく邪魔なものだと思っています。

でも、お仕事の場合はやっぱり、自信がなかったり、緊張しちゃうことが多いので、間隔を空けなきゃいけなかったり、マスクや、マウスシールドや、フェイスシールドがすごく役に立っている気がしています。

私の場合は、ね、そう思うんです。

--確かにこれも、「コロナがあったからこそわかったこと」のひとつですね。

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