ペアにしか見せない一面がそれぞれある

山田ジェームス武

── ペア相手だからこそ知っている姿などがあれば、ぜひ教えていただきたいなと。

坪倉 えー! なんだろう。

山田 それでいうと、僕と信長は公式でやっているペア対談企画が初対面だったんですけど、そのときに「最初は人見知りだけど、心を開くと素を出せる」って言ってたんですよ。そして最近それがちょっとずつ見えてきたので、あ、こういうことかって思ったらすごくうれしかったですね。

── どういうところで素が見えたと感じたんですか。

山田 僕に対してふざけてくるというか。でも、そのふざけかたも小さいんですよ。俺にしかわからないような感じでやってくるから、どう拾ったらいいんだ?って思うぐらい(笑)。でも、そういうところがかわいい。

稽古場での信長は端っこで黙々と台本を確認していたり、音楽を聴いていたりするタイプなので、たぶん僕しか知らない一面なんだろうなって。

坪倉 僕は信長くんの趣味の車の話を聞いてることが多いから、そういう信長くんは知らないです。

山田 坪倉と遊馬はどんな感じなの?

坪倉 遊馬くんは、稽古場では天然というかフワっとしているんですけど、ふたりで一緒に帰っているときは、先輩って感じになるんですよ。フワッという感じが取れるというか、僕の相談に乗ってくれたり、稽古場とはまた違った印象になります。

山田 へー! おもしろいね。

坪倉 幽って、湊のことを無視することが多いんですけど、そういうときのやりとりなんかを遊馬くんから積極的に提案してくれるので、すごくありがたいです。

山田 そういう遊馬は見たことないな。実は、僕の小学生の頃からの幼馴染がダンサーをやっていて、遊馬と共演したこともあるんだよ。

坪倉 すごいですね!

山田 それで、この作品が決まったときに「すごくいい子だから面倒見てあげて」って連絡がきたの(笑)。だから、面倒を見てあげたくなるような、かわいい後輩っていうイメージを持っていて。でも今、坪倉の話を聞いていて、やっぱりペアにしか見せない一面がそれぞれあるんだなって思った。

坪倉 なんだか不思議ですね。

坪倉康晴

── では、おふたりから見て、一番ユニゾンしていると感じるペアはどこですか?

山田 樋口裕太(新兎千里 役)と長江崚行(獅子丸孝臣 役)ですかね。ふたりはとにかく能力値が高いんですよ。何かを急にやりだしても、いいものを生み出してくるというか。感性が似ているのかな。ふたりとも、キレイな六角形なんですよ。

坪倉 パラメーターってことですか?

山田 そうそう。何に挑戦しても、それぞれ合わせられるなと。見ていてすごいなって思います。

坪倉 僕もジェームスくんと同じで、裕太くんと崚行くんのペアですね。

山田 やっぱりそうだよね! ふたりは今回が初共演なんですけど、今回の役柄じゃなかったら、きっと同じ役を奪い合うポジションなんだろうなって。

千里と孝臣がいなかったら、ずっと共演する機会がなかったふたりなんじゃないかなと思います。だから見ていてめっちゃ面白い! 夢のタッグを見れたなって感じ。

坪倉 僕もまったく同じ意見です! 普段から、裕太くんと崚行くんって稽古場を盛り上げてくれるし、お芝居を見ていても、シンクロしているんですよね。

もし本番で誰かがセリフを間違えても、フォローしたり、上手くアドリブを入れたりしてきそうというか。一番ユニゾンしているなと思います。あと、歌とダンスもふたりともうまくて、見ていてすごいなぁって。

── そうなんですね。てっきり、おふたりともご自分のペアを挙げるのかなと。

山田 いや、ないですね。

坪倉 あはは!

山田 僕らはまだまだ成長段階なので(笑)。

坪倉 僕たちもそうだと思います。