●子どもへの声かけや対話を大切に
小嶋「例えば、子どもが飲み物をこぼして、ぎゃー!!と怒る…という気持ちも分かりますが、こぼした経験によって得るものがあります、そこから何を学んでもらいたいかだと思うのです。
『こぼして、叱られた』というつながりだけではなく、例えば、親が困った顔、悲しい顔をして、『こぼれてしまって、もったいないね、もう飲めないね…』『どうしてこぼれた?』『こぼれないようにするにはどうしたら良い?』『これからは、倒さないようにしたいねー』など、声かけの仕方によって、次につながるように思考回路を作ってあげることができるのではないかと思います。
家庭内のコミュニケーションの仕方を、子どもは外の世界でも使います。子どもは、常に親の日頃の言動を観察しているわけです。
ですから、どういう声かけをするのか、どう対話するのか考えながら、大人の時間感覚や価値観を押し付けず、焦らず、徐々に成長していくまぶしいくらいの我が子を見守る姿勢を忘れたくないと思っています」
●楽観的に子どもと一緒に乗り越えていく“家族の形”もあり!
小嶋「『楽観性が高い人は、文脈に応じて行動を調整する柔軟性に優れている』といわれています。
現実には本当に大変なことが起きており、真剣に対応する必要があるのですが、カリカリ、イライラしそうになったときには、『楽観性大事!』と、子どもと笑顔の時間を共有したいものです。
将来、柔軟に、できれば有意義に生きていってもらうために、『コロナ禍で一緒にどう対応していく?』と、子どもという“小さな大人”に意見を聞くなど、対話しながら一緒に乗り越えようというのも、“家族の形”として取り入れていただいても良いのかもしれません」
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来年度はコロナ禍真っ只中の小学校入学となり、不安も大きいものですが、先輩ママからのアドバイスからはたくさんのヒントが得られます。
ぜひ前向きに対策を立てながら、我が子の小学校入学の準備を、物質面、メンタル面の両方から万全にしていきましょう。
【取材協力】小嶋 理江(こじま・まさえ)さん
名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所 特任助教
名古屋大学未来社会創造機構特任助教。博士(環境学)。現在、小学生2人の子育てをしながら、講演等や交通心理学に関わる研究を行っている。『司法・犯罪心理学入門~捜査場面を踏まえた理論と実務』(福村出版)の執筆者の一人。一般社団法人子ども子育て・教育研究所(クペリ)にも在籍。