共演には藤原季節、落合モトキら若手実力派が集結
国民に向き合わずパリを脱出して逮捕され、王の権威を失墜させたルイ16世だが、一幕では身分によって異なる処刑法に心を痛める、優しく聡明なキャラクターとして描かれた。
演じる橋之助は、気品と貫禄に満ちた立ち居振る舞いとセリフ回しで人物を造形。
前段となるこのエピソードがあるからこそ、革命の進行によって袂を分かったシャルルと王の悲劇が際立つ。
シャルルの法律観に大きな影響を与える登場人物には、実力派の若手が揃い踏みだ。
父親殺しのジャンに牧島、ジャンの恋人エレーヌに清水葉月、断頭台ギロチン開発の道に進むトビアスに橋本淳、粛清を断行した政治家ロベスピエールの右腕と称される革命家サンージュストに藤原季節、若き日のナポレオンに落合モトキがキャスティング。
若々しくも情熱的なエネルギーを武器に作品を彩った。
ロベスピエール率いる左翼のジャコバン派(山岳派)や出身地コルシカ島の独立を願うナポレオンをはじめ、さまざまな価値観に触れて揺さぶられるシャルルの心情は、決して遠い時代のものではない。
市民の手で絶対王政が倒された激動のフランス革命期には、新型コロナウイルス感染症の影響でその姿を大きく変容しようとしている現代社会がどこか重なる。
その中で翻弄されながらも罰に対する“平等性”を訴え続けたシャルルの姿から、自粛生活を強いられる観客はどんなメッセージを受け取るだろうか。
上演時間は約150分弱(休憩含む二幕)。
公演情報
舞台『サンソンールイ16世の首を刎ねた男ー』
演出:白井晃
劇作・脚本:中島かずき
音楽:三宅純
原作:安達正勝『死刑執行人サンソン』(集英社新書刊)
坂本眞一『イノサン』に謝意を表して
出演:稲垣吾郎 /中村橋之助
橋本 淳 牧島 輝 落合モトキ 藤原季節 清水葉月
智順 藤田秀世 有川マコト 松澤一之
田山涼成 / 榎木孝明 他
【東京公演】
上演中~2021年4月27日(火)
会場:東京建物ブリリアホール
※政府による緊急事態宣言発令により、4月28日(水)~5月9日(日)東京公演は中止となりました。
【大阪公演】
2021年5月21日(金)~2021年5月24日(月)
会場:オリックス劇場
【福岡公演】
2021年6月11日(金)~2021年6月13日(日)
会場:久留米シティプラザ
【神奈川公演】
2021年6月25日(金)~2021年6月27日(日)
会場:KAAT 神奈川芸術劇場