上京したことが、自分の人生をぴょんっとリセットするきっかけに

(左から)宇佐卓真・なえなの・中村里帆 撮影:杉映貴子

――劇中でみなさんが「対決落語」に出会ったように、実際にひとつの出来事で変われた、といった経験はありますか?

なえなの 上京かもしれないです。ずっとこの仕事をすることを両親にも学校にも反対されていて、地元でこのままアパレルブランドの店舗スタッフをやっていこうかなって思っていたんですけど、思い切って仕事を辞めて、東京に出てきてから、本当にたくさんのお仕事をいただけるようになりましたし、自分自身のモチベーションも上がりました。

人生をぴょんって一回リセットして、頑張るぞ!って思えたのが上京です。

中村 私はモデルしかやらない!って決めて上京してきたんですけど、数年前に受けたお芝居のオーディションが変わるきっかけになりました。モデル志望でお芝居はやらないって思っていたんですけど、そのオーディションで最後のほうまで残ったんです。そしたらいつの間にかお芝居の虜になっていて。

そのオーディションは結局上手くいかなかったんですけど、それを機にお芝居をやりたい!というスイッチが入ったし、この世界でちゃんと勝ち残っていきたいという思いが強くなった出来事です。

――お芝居のどのあたりが特に面白かったんでしょうか。

中村 そのときは面白いというよりも、悔しいって気持ちがすごく強くて。この悔しい思いを浄化するぞって気持ちでお芝居を始めてみたら、魅力に気づいて、今続けられています。

宇佐卓真 撮影:杉映貴子

宇佐 これをきっかけに変わった!という経験はないかもしれません。でもいろいろな役をやる中で、それぞれに影響を受けてきたとは思います。

僕もなえなのさんとちょっと似てて、あまり感情の起伏がないほうなので、そんなに落ち込むこともないし、特別、嬉しいと思う感情もなくて、人間らしくないなあってたまにそのことで落ち込みます(笑)。

たとえば忙しかった毎日の中でオフがぽつんとできたら、人と会う予定もなく、家でひとりでぼーっとしていたりして、何してるんだろうなって思うときがあります。

だから、この作品のように自分を変えてくれる何かに出会えるっていうのは幸せなことだと思うし、出会いたいなって思います。

――今のZ世代の方々はそういうテンションの人が多いんでしょうか。

中村 そうかもしれません。まわりにも多いです。