外出自粛の影響もあり、なるべく食材をまとめ買いしている方も多いかと思いますが、食材が傷みやすい季節であっても、買った食材はできるだけ傷ませることなく保存したいものですよね。

そこで今回は、普段使うことが多い食材のひとつ『味噌』にフォーカス!

発酵食品ゆえ、正しい保存方法が気になるという方も多いのではないでしょうか。

お話を伺ったのは、味噌メーカー『ひかり味噌』の醸造責任者。

意外に知らない、でも知っているととっても役立つ、味噌の正しい保存方法や使い方について教えていただきました。

味噌のプロに聞く!意外に知らない「味噌の正しい保存方法と使い方」

買ったときより色が変わってる!食べても大丈夫?

味噌のプロの答えは、ずばり「風味は変わりますが、食べても問題ありません」とのこと。

『ひかり味噌』醸造責任者「味噌の色が段々と濃くなっていくのは、原料である大豆などのアミノ酸が糖と反応して褐変する現象、通称“メイラード反応”が起こるからなんです。

これは、どんな味噌でも起こる現象なんですよ。

特に、夏場のような暑い環境下では、急速にこの褐変が進行します。

食べても問題はありませんが、変色が進行すると、その分風味も変化するので、これからお話しする正しい保存方法をおすすめします。

味噌は正しく保存すると、腐敗する可能性は限りなくゼロに近い保存食なんですよ」

味噌の正しい保存方法を教えて!

味噌のプロの答えは、「常温保存でも問題ないですが、できれば冷蔵庫保存をおすすめします」とのこと。

『ひかり味噌』醸造責任者「味噌を保管している場所の温度が高い場合、先程お話ししたように、味噌の色がどんどん変化していくにつれて、味噌の風味も変化する場合があります。

そのため、購入後はできるだけ冷蔵庫での保管をおすすめします。

味噌の保存で大事なポイントとしては、低温に保ち、空気に触れないようにすること。また、水に濡らさないようにすることも大事です。

味噌を開封したら、味噌の表面にラップを貼ったりして、なるべく空気に触れないようにして、味噌の酸化や乾燥を防ぐことで、味噌の風味を損なわず、買ったときと同じ状態をキープできます」

傷ませない、味噌の正しい使い方って?

味噌のプロの答えは、「水気には特に注意して」とのこと。

『ひかり味噌』醸造責任者「味噌を取り出すときに使うヘラやスプーン。これらは必ず乾いたものを使うことがとても大事です。

特に湿気の高い梅雨や台風シーズンは注意!冷蔵庫から出すと途端に結露が始まるので、出し入れする回数を少なくしたり、なるべく早く戻すなど、ちょっとした気遣いもぜひしてください。

そのくらい、味噌は水気を嫌います。

味噌自体の保存性は良くても、ひとたび水で薄まると、微生物の生育を逆に助長してしまうんです。

例えば、野菜や魚、お肉など食材を味噌につける味噌漬。

食材をまとめ買いしたときに、長期保存の意味合いもあり、下ごしらえで作っているご家庭もあるかと思いますが、味噌が薄まり過ぎないように、味噌の量を調節しないと逆に保存状態が悪くなってしまいます。

味噌の量を調節するのに加えて、味噌漬は早めに食べきることが重要です。もしくは、冷凍庫での保存をおすすめします。

一般的な家庭の冷凍庫の温度では、実は味噌って凍らないんですよ」