私も覚えてます。衣装は、ジーンズ生地の上下で、ヘアセットもすぐ思い出せるくらいです。こういう髪してましたよね。(両手を頭の上でグーにする、佐江ちゃん)(第2回)

フォトギャラリー【写真満載】ミュージカル『王家の紋章』製作会見カット+撮影アザーカットも

あの時、超!ヘコんでた。“今日のミラチャイ、無理。元気な顔できない”って、思いながらお話させてもらったのも覚えてます。

--あれが初演の時で、もう5年も前になるんですね。佐江ちゃんは、苦しい事とか、いろんな「山」を越えてきてますね。

いや、いや、いや…。そんな事ないです。

めちゃくちゃ生意気ですが、2017年の再演が終わった時、“もしいつか、再々演があったら。もしその時に、自分に声が掛かったら。自分はやる? やらない?”って、考えた事があって。

帝国劇場に立つ怖さを知ってしまったし、次に立てる時までに、自分が成長している自信がなかったから、本当に生意気なんだけど、「次にオファーが来ても、絶対に出られないし、できません」って、思っていたんです。

そもそも、再々演のオファーは来てないですが、改めて再々演を観たら、“もう1回やりたい”って、素直に思いました。

楽しかった思い出もたくさんあるし、ステージに立つうえで、今ここまで自分を強くしてくれているのは、やっぱり『王家の紋章』の経験があったからで。あの作品の存在が、自分のなかで一番大きかったと思っているので、今回の再々演を観て、素直に“いいなぁ”って思いました。

--そういうふうに振り返る機会をもてて、『王家の紋章』が再々演された事は、佐江ちゃんにとって本当によかったですね。

本当によかった。「初演、再演のメンバーたちの頑張りがあったからこそ、再々演が決まったんだと思うよ」というような事を、今回の作品にも出ている、当時の共演者さんが言ってくださって。それに携われていたのは、よかったなって思います。

--今日は、佐江ちゃんのそういう話が聞けてとても嬉しいです。確かに当時、厳しい声も聞こえてきていたので。実は今日、再々演をテーマのひとつに立てて振り返るのは、佐江ちゃんにとっていい事なのか、悪い事なのかを考えていたんです。

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