--さあ、佐江ちゃん。今回もよろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
--さっそく今回は、今年の夏、日本上演40周年を迎えるブロードウェイミュージカル『ピーターパン』のお話からスタートしましょうか。開幕に向けて、すでにお稽古が始まっているそうですね。
はい、ちょうど始まったところで、すでに筋肉痛になっています。『ピーターパン』の舞台には、これまでに2017年と2019年の二度、出演させていただきました。
三度目となる今回は、全体のストーリーとしては同じですが、脚本では、言い回しが違ったり、前にあったシーンがなかったりすることもあって。新たに、まったく違う作品に取り組む気持ちでお稽古に臨んでいます。今回は新曲もありますよ。
私が演じるタイガー・リリーは、10〜12歳くらいの子どもの役なんです。前作『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』では7、8歳の女の子、ルーシー役をやったので、子どもから子どもへ役が移る感覚が、自分でもとても新鮮です。
「無理に子供っぽく台詞を言おうとしなくていいよ」と、今回も演出家さんから言われています。タイガー・リリーが子どもだということは、衣装でも目に見えてわかることだからと、ご指導いただいているんです。
--子どもという点でいうと、観客にお子さんが多くなるのも、この作品の特徴ですね。
自分自身が『ピーターパン』に出演させていただく前から、この作品を毎年観てきて、“この作品は、子ども向けに作られている舞台”というイメージを持っていました。
ですが、いざ自分が『ピーターパン』に関わってみると、子供向けだとばかり思っていた作品が、こんなにも大人の目線で作られていることに驚かされました。
もちろん、子どもが見てワクワクする感じは、絶対的にあるんです。でも今回の演出家さんは、今までよりもさらに、『ピーターパン』を“大人へ観せたい作品”“大人の心に刺さる作品”として作られている感じがしています。
それは台本の中に出てくる言葉や、言い回しからも感じています。
--名作と言われる作品だけに、さまざまな世代に響くメッセージを含んでいるのでしょうね。
今年の公演は、日本での初演から40周年ということもあって、作品づくり全体にさらに力が入っているのを感じています。
作品が持つメッセージは、全部を追えないくらい深くて、いろんな情報が詰まった作品です。その情報をいかにコンパクトに伝えられるか。演出家さんの意見を聞いて、皆で作り始めたところです。本当に深い作品だと改めて思っているところです。
--『ピーターパン』も、前作の『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』も、原作がとても有名なので、話の内容も知っているつもりでいましたが、ミュージカル作品にふれて改めて、その作品が持つメッセージに気付かされたりします。
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