◆日本での学生生活
――高校時代にニュージーランドに留学していたのに、なぜ日本に留学したのですか?
「ニュージーランドには、英語を学ぶために行きました。同じ寮にラグビー留学に来ていた日本人が何人かいて。寮の先生が僕も日本人だと思ったのかな? なぜか『通訳して』と頼まれたけれど、分からないから日本語の勉強を始めたんです。でもBoAさんのファンだったので、彼女が活動している日本には関心があったので苦じゃなかった(笑)。
大学進学を考えていたころ、立命館アジア太平洋大学の存在を知ったんです。日本で暮らせるし、日本人と外国人が半々だから日本語も英語も使えるし、“これはいい!”と思いました。でも、『日本=東京』のイメージだったから、大学のある(大分県)別府は大都会とは違っていて、初めて行った時は驚きました(笑)」
――大分でも一人カラオケに行っていましたか?
「はい。レミオロメンの『粉雪』、コブクロの曲などを歌っていましたが、一番好きだったのは、中島美嘉さん。『雪の華』とか、『桜色舞うころ』をよく歌ったし、映画『NANA』も見ました。中島美嘉さんは、歌うジャンルの幅が広いし、歌声と歌の感情がすごく好きです」
――今でも日本での生活が恋しくなることはありますか?
「ありますよ! 僕の人生で一番楽しかったのは、大学1年生の時。そのとき仲良かった友だちとは、今でも連絡を取り合っていて、彼らの存在がすごく力になっています」
◆新曲『After Summer』とは
――10月7日に新作デジタルシングル『After Summer』をリリースされました。
「『After Summer』は、クルムさんという作家さんの曲で、僕は作詞に半分だけ参加しました。2月に『Love Letter(사랑하는 당신께) 』を出してから、ちょっと悩んでいたんです。このままでいいのか、新しいスタイルに挑戦するべきなのかって。
そんな時にクルムさんが見せてくれた歌詞の出だしが、『雨が降る反対側に――』だったんです。僕がシンガーソングライターとして認知された曲は『雨』。自信のなかった僕に自信をくれた『雨』と、自信を失くしている今……、歌詞を見て、『クルムさんは、僕が今、悩んでいるのを知っているのかな?』と驚きました」
――『雨』のヒットはうれしさとともに、プレッシャーでもあった?
「はい。でも、プレッシャーがないと喜びもないでしょ? 雨降りの日は、好きな人もいるけど、嫌いな人もいる。何でも表裏一体なんです。
クルムさんが書いてくれた『After Summer』と僕の性格って、実は真逆。僕はいつも歌詞に自分を反映させるから最初はどうすべきか悩んだけれど、真逆もアリだと思って、違う感情を表現することに務めました」
――冒頭で、男子アイドルたちがポールさんの曲をカバーする……というお話しをしましたが、ポールさんも今年、Red VelvetのJOYさんのソロアルバムで、韓国を代表するバラード歌手、ソン・シギョンさんの『If Only(좋을텐데)』をカバーしましたよね。
「依頼された時、僕はソン・シギョンさんが大好きだから、“無理!”って思ったんです。でも、JOYさんサイドも僕だからできる何かを期待しているんだろうなと、自分ができることを頑張ってみようと思い直して参加を決めました」