橘ケンチ 撮影:鈴木規仁

日本酒に深い造詣を持ち、近年、日本各地の酒蔵とのコラボレーションを実現させてきたEXILE/EXILE THE SECONDの橘ケンチ。彼と福岡の「白糸酒造」との3度目のコラボレーションによって誕生した「5013橘」が11月20日に発売となる。

LDH kitchenが運営する居酒屋三盃にて、11月15日より先行提供が始まり、橘が食のPR大使を務める福井県福井市の食材を揃えた食フェア「<橘>×越前福井フェア2021秋」も開催される。

橘にとっても白糸酒造にとってもこれまでにない新たなチャレンジだったという「5013橘」の味の秘密、さらに福井の旬の食材との組み合わせによるおいしさと魅力について話を聞いた。

フォトギャラリー【橘ケンチ】日本酒「5013橘」発売インタビューの写真をもっと見る
  • 橘ケンチ
  • 橘ケンチ
  • 橘ケンチ
  • 橘ケンチ
  • 橘ケンチ

九州随一の人気を誇る白糸酒造と3度目のコラボレーション

橘ケンチ 撮影:鈴木規仁

日本酒に関わる活動を自身のライフワークとし、近年では京都の「松本酒造」とのコラボによる「守破離橘」、秋田の「新政酒造」との「陽乃鳥橘」「亜麻猫橘」など、日本各地の酒造とのコラボレーションにより新たな酒を生み出してきた橘。

九州随一の人気を誇る白糸酒造とのコラボレーションは2019年の「橘六五」、昨年の「橘6513」及び「田中六五橘」に続いて3度目となる。

おそらく日本酒に詳しくなければ、「橘六五」、「橘6513」や「田中六五橘」、そして今回の「5013橘」といったネーミングの由来、数字の意味についてよく分からないという人も多いだろう。まさにこの“数字”の意味こそ、今回の大きなチャレンジに深く関わっているのだ。

もともと、白糸酒造が手がけている日本酒のブランド名が「田中六五(ろくじゅうご)」であり、この65という数字は精米(福岡県糸島市産の山田錦)の割合が65%であることを示している。

「これまでもそうなんですが、僕は酒蔵さんと組むとき、できるだけ普段はできないことに挑戦していただきたいと思っているんです。白糸酒造さんもその想いを汲んでくださいました。

お酒って絞った順番で『荒走り』『中汲み』『責め』と分かれて名前がついていて、『田中六五』ではそれを1本のお酒にまとめているんですが、最初のコラボになった『橘六五』ではあえてそれを分解して、3本1組のお酒として出させていただきました。

2回目のときは、日本酒の世界でも低アルコール化の傾向が進んでいることを踏まえて、通常は15~16%のアルコール度数のものが多いんですが、それを加水することなく純粋に13%程度まで下げるということをやってみました。精米65%、アルコール度数13%で『6513』ですね。

そうしてでき上がった『橘6513』がメチャクチャおいしかったんです。白糸酒造の杜氏の田中さんも『これはすごいです。田中六五の未来もこういうふうになっていくんじゃないか』とおっしゃってくださるくらいの仕上がりで。

『5013橘』 撮影:鈴木規仁

今回、3度目のコラボレーションでそれを超えていくには何をしようか?と考えて、『精米の具合を変えてみましょうか?』ということになりました。

65%精米だと、一般的にキレイというよりはボディ感の強いお酒になりがちなんですね。

白糸酒造は高い技術で65%をフラッグシップモデルとしてやってきていることもあって、かなりキレイなお酒を出しているんですが、それをさらに50%まで磨いてクリアでエレガントな仕上がりを目指してみましょうと。

もうひとつ、僕自身が酸味の強いお酒が好きなんですね。そこで通常は黄麹を使うのが一般的な日本酒で、焼酎で使う白麹を使ってみてはどうかという話になりました。

白麹は田中さんのところでも今まで使ったことがなくて、面白い試みだったんですが、田中さんも『やりましょう!』とノリノリで快諾してくださり、そうやって『5013橘』が完成しました」