ファンの声援で感情が上がる

-- …というのは、叫びたいけれど、恥ずかしさもあって、ちょっと大人しくしちゃうみたいな人もいると思うんです。

わかります。私も、ライブコンサートだと声を出せるんですが…。

例えば、自分が好きな芸能人の方のファンクラブイベントに参加したときに、声を出して笑ったり、好きな芸能人の方に「挙手してください」って言われて、挙手できる人かといったら…。私もめちゃくちゃ恥ずかしがり屋なので、絶対にできないんです。

そう思うと、率先してそういうことをやってくれるファンの方って“すごいなぁ”って思うんです。今、ステージに上がる側の人間になって、改めてそう思います。

--今、佐江ちゃんが言ってくれたことを実行するのって、結構な能力がいると思うんです。

超恥ずかしいし、超緊張しませんか??

自分がステージ上から、ファンの方やお客さんに向けて「手を挙げてくださぁーい」って声をかけたときに、手が挙がらなかったりすると、“えぇ…、何で挙げてくれないの?? つまんないの、みんなぁ!?”って、思うんです。

だけど、いざ自分がお客さんの立場だったら、絶対に手を挙げられないなって。そう思うと、言ってることと、やってることが矛盾してるなぁって思うんですが(笑)

バラエティ番組を経験したときにも思っていたんですが、おもしろいことを言えてなくても、言った発言に対しての拍手とか、空笑いでもいいから反応が起きていれば、演者側も乗っていくんです。

それが、「シーーン…」って、なられるともう怖くて、次の一言が言えなくなっちゃう。実は、アイドル時代にもそう感じていたなって。

皆は楽しいのかもしれないけど、反応がないと“つまんないのかな?”って、自分で勝手に思っちゃったりするから、それで空回りしちゃったりするんですよね。

なので、ライブやコンサートをされるアーティストさんにとって、声援がないという感覚ってどうなんだろうとも思うんです。

--テレビ番組の収録のように、声援がない状態が基本だったら大丈夫かもしれませんが、観客が目の前にいるけれど、声援が来ないという状況は特別ですからね。

生の拍手やペンライトで、“皆がいてくれてる”っていう気持ちを持てるのかもしれないから、オンラインのライブと比べると、“皆の顔が見える!”って思えた方が、気持ちは保てるのかもしれないけど…。

でもやっぱり、ライブの声援で「感情がさらに上がる」というのは、確かにあることだから。

特に48グループでいうと、コロナ禍になってからは、卒業ライブでも声援ができないっていうのが、ファンの方にとってもメンバーにとっても、ものすごくもどかしいことだと思うんです。

ファンの人は、最後に「ありがとう」って、感謝の気持ちを伝えたいし、メンバーもファンの方の気持ちは、熱気で伝わってきても、それを「声」で浴びることができないっていうのは、すごくもどかしいだろうなって思うんです。

卒コンでも、ファンの方々のあの声援で涙が溢れた自分がいたので。。そう思うとね、この時期に卒業した子だったり、これから卒業が控えている子たちの気持ちを考えると、胸が苦しくなりますね。

「声に出せる」って、当たり前のことじゃなかったんだなって、コロナ禍になってすごく気付きました。

--そうですね。コロナ禍になるまでは、そんなことは考えもしませんでしたからね。「ミラチャイ☆」も、始まって意外と早い時期にコロナ禍での連載となりました。当初は取材を見合わせることも考えて、連載の一時休止も考えました。

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