切磋琢磨していく

自分のやっていることが、矛盾してるって感じることがあるんです。

歌も踊りもお芝居も、全部できていなきゃいけないミュージカルの世界で、舞台に立つことをひたすら夢見て、レッスンしてきた人たちがいるのに、アイドルを卒業して全然経験のない私みたいな人間が、舞台に立ててしまう。

でも私は、そういうのをやらざるを得ない人間で。

今から皆に追いつこうと頑張ったところで、この道ひと筋で頑張ってきた人たちに、追いつくことなんてできるのか…。

舞台はプロが立つ場所だから、本当は私みたいな人が出てはいけないと思うこともあるけど、でも出てしまう自分がいる。出るとできない自分が悔しくなる…っていう、すごく矛盾した思いが、いつも自分の中にあるんです。

でも、やっぱり私はミュージカルや舞台が好きで、だから、そこでの評価は間違いなく得たいですし、お客さんには、ステージに立っている自分を安心して観ていただきたいという思いも常にあります。

2018年撮影

「安心して観ていただく」というのは、例えば、配役がダブルキャストだと、お客さんは、どちらかのキャストを選んで観に来てくださいますよね。

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