想像もしていなかった仕事をもらえることが楽しい

撮影/杉映貴子

――今回、声優として主演という大きな仕事だったと思うんですが、新しく見つかった仕事での目標はありますか?

ないですね。声優の仕事をやるときはこれで最後、って毎回思っていて。

――えっ、そうなんですね。

声優の仕事をやりたいとは簡単に言えないですね。それを生業としている声優さんたちがいて、本気で向き合っていらっしゃっていて……。

本当に、本当に、求めていただいたらやりたいですけど、簡単に「やりたい」と言えないのが現状です。でも、『バブル』が最後の声優の仕事だったらこんな幸せなことはないな、と思います。

撮影/杉映貴子

――では、役者として、今後やってみたいな、というものはありますか?

あんまりないですね、僕は。何年後にはこうなりたい、とか全然ないんです。自分がどうなっているか分からないので。

――流れに身を任せる、みたいな……。

そのとき、自分がいいと思ったものをやりたい、という感じですね。それで後悔しても全部自分の責任だし。

この仕事で一番楽しいのは、想像していなかったような仕事をもらえることだと思ってるんです。もちろん、「ここを目指している」と言える人のことはすごいと思います。僕はそこまで自信がなくて、あまり言いたくないタイプですね。

――自信をつけよう、とかは特に意識されることなく?

別に自信はなくてもいいかな、と思っています。自信がある、って主観的なことだけじゃないですか。

自信を持ってやるのと、自信がなくてやるのは違うと思うけど、プロとしての意識を持って今まで培ってきたものを表現しないと、と思って取り組んでいるので、そこに差はないと思っています。もちろん、自信に変わったら楽しいんでしょうけどね。

それに、まだまだだな、と思っているほうが、選択肢が広がるというか、伸びしろはあるな、って。