1500回(!?)も練習していた“やっさん”のマネ
――あはは。現場ではどんなことを学びましたか?
与田 みなさん、本当に大変だったと思うんですが、現場の空気感がすごく温かくて、大変なことをしているのに、いい意味で大変な空気が流れていなくて、なによりも楽しそうにお仕事をされていたんですよね。俳優部はもちろん、撮影チームのみなさんからも愛を感じて、お仕事が好き、楽しいという気持ちが伝わってきたんです。
今までは、お仕事に対して頑張らなくちゃというプレッシャーが大きかったからこそ、この現場のいい雰囲気にすごく刺激を受けました。すごく学びの多い作品でしたね。
畑中 今の言葉をチームのみんなに伝えてあげたいですね。
アベラ 狙っていたわけではないですが、技術者のみなさんも、楽しませてくれるタイプの人が多かったんです。現場によってはピリッとする瞬間もあるけれど、基本は楽しもうという人が多かったですよね。
畑中 そうですね。本当に良い空気でしたし、ドラマの撮影が終わりに近づいていくと、僕自身も寂しくなってしまいましたから(笑)。
――おふたりから見て、与田さんの女優としての魅力はどこにあると思いますか?
アベラ すごく努力家ですよね。実は、“やっさん”という、田中要次さんが演じていたキャラクターの真似をするシーンがあるんですが、誰も気づかない、見ていないところで、何度も何度も練習していたんですよ。僕が見ていただけでも1500回位はやっていて!
与田 顔も作り込んでいました(笑)。
アベラ ずっと眉間にシワを寄せたり、そのシワの具合を練習していたりと、飽きずにずっとやっているんです。ここまで没頭してやっているのがすごいなと思っていましたね。
与田 もっとうまくなりたいって思ったんです。それなのに、カメラの前でいざ本番となったら、ちょっと緊張してしまって悔しくて……!
アベラ あはは!
畑中 でもすごくいい出来でした(笑)。
アベラ こんなにもひとりでスクラップ&ビルドを楽しんでできるタイプってすごいですよ。気づいたら後半はやっさんの芝居の精度もちゃんと上がっていて、印象的でした(笑)。
与田 あと、このドラマでは会社員経験をできたのは楽しかったですね。プレゼンも初めてやりましたし、すごくいい緊張感で、ドキドキしたんです。
アベラ あのプレゼンのシーン、実は最初は完璧に熱くやってくれたんですよね。でも、その熱量は璃子っぽくないよねという話になって、撮り直したんです。そこであらためて“量産型リコ”というキャラクターは絶妙やなって思ったんです。
――そこであらためて量産型であることを大事に演じたんですね。
与田 そうですね。イベント3部の個性豊かすぎるキャラクターの中で、私はどう馴染んだらいいんだろうと思っていたんですが、いつのまにか自然と馴染めていたんです。みなさんとプラモデルを通じて距離が縮まる感じも、すごくリアルだったんじゃないかなと思っています。
――プラモデルもかなりの数を作られていますよね。
与田 そうですね。プラモデルをいろんなアングルから撮影するので、作っては壊されちゃうこともあるんです。でも、そこでちょっと傷ついたりもしていて(笑)。そのときに、“私、ちょっと愛着持ってた!”って思ったんです。