TEAM NACSのメンバーに出会えた幸運に感謝し、成長できた

――映画の話に戻りますが、朝子のように恋愛で失敗をしないためにも勇気は必要ですね。

ええ。それと、出会いをひっくるめた「運」も大事にしなければならないと思います。

運というのは自分の意思だけではどうにもなりませんが、少しでも「これは運がいいぞ」と思ったとき、それをきちんと意識して大事にするか、何も考えずに過ごすかは大きく違うと思います。

――なるほど。

幸運が巡ってきたと意識すれば、そこには感謝の念が芽生えるじゃないですか。でも普段の生活の延長だと思っちゃうと、後ですごいしっぺ返しを食いそうな気がするんですよね。

もし女性が、「いい男性と出会えたな」と思ったら、自分にできることを100パーセントすべてやる。もっともっと好きになってもらうことをしていく。男女が逆の場合でもそうです。その出会いを当然のことだと思っていたら、相手は離れていってしまうかもしれない。そんな気がします。

――戸次さんが幸運を意識した出来事にはどんなことがありますか?

大学時代、TEAM NACSの連中に出会えたことは、幸運ですよね。中でも大泉洋というメンバーがいたことは強運だったと思います。

5人でやる舞台やテレビ番組も「俺たち運がいいなあ」と思いながらやってきた。そう思わずに当たり前のこととしてやってたら、5人に成長はなかったと思うんです。そういう状況の中で自分ができることを100パーセントやらなければならないし、そして、この先間違った選択をしちゃいけないぞ、と。

我々は舞い込んできた幸運を意識しながら活動してきましたし、そういう環境の中にいることを今でも感謝しています。

――そうですか。では最後に読者の皆さんに一言お願いします。

もし現状に不満を抱いている人がいたら、この作品を是非見てください。そこに出てくる人間たちは皆さんよりもっとダメな人間です。この登場人物たちに比べたらマシだ、そう思えるし、元気や活力を得ていただけると思います!

――女性には朝子に注目して見てもらうといいですね。

自分と比べて朝子はどうなのかという視点で見てもらいたいですね。いろんな意味で、この作品を見た後、もしかしたら自分が変わっているかもしれない、前に進めるかもしれない、すでにそうしている人は自信をもって歩み続けられるかもしれない。

もしこの映画を見て朝子のようにはならないぞと思っていただけたら、この作品はその人にとって意味のある作品だったんじゃないかな、そう思います。

©2018 Tanizaki Tribute製作委員会

『神と人との間』
1月27日(土)よりテアトル新宿ほか全国順次公開

ヘアメイク:横山 雷志郎(yolken)
スタイリスト:小林 洋治郎(yolken)
ジャケット、パンツ、白シャツ:インフルエンス 03-6438-9610

会社員からテレビ番組やDVDなど映像関係の英日翻訳者を経てライターに。 ハーバルセラピスト、アロマセラピーアドバイザーの資格あり。子供の頃からお笑い好きで、当時読んだ「落語全集」は宝物。でも、なりたかったのは落語家ではなく小説家。今、こうして文章を書いて人に伝える仕事をしていることに喜びを感じてます。