子育て心理学に詳しい心理カウンセラーの佐藤めぐみさんに、「いい子症候群」の特徴やその原因、改善方法を伺いました。

簡単なチェックリストも紹介するので、わが子ももしかして…と心当たりのあるママ・パパはぜひ本記事をチェックしてみてください。

子どもの「いい子症候群」特徴と原因は?

「いい子症候群」の子どもの特徴

前置きとして、「症候群」というのは元々病的なものに使う単語ですが、「いい子症候群」に医学的な背景はありません。あくまで造語であることを理解しつつ、あまり過剰な心配をしないことも大切です。

「いい子症候群」の子どもの特徴は、親から見てあまり手がかからず、自分で自分を管理できるタイプです。学校などの外の社会でも大きな問題を起こすようなことはなく、周囲から褒められる機会も多いでしょう。

「自分はいい子である」という自覚も強いので、そのレッテルを汚すことを好みません。

その分、負の感情を抑えて我慢してしまう、弱音を吐けない、悩みを抱え込んで人に打ち明けられない、失敗を恐れてチャレンジを回避するというところも見受けられます。

原因は「親と子の特徴の相乗効果」

では、そんな「いい子症候群」にはどのような原因でなってしまうのでしょうか。

気質的に、我が強くなく穏やかで、元々きちんとしていることを好むような傾向の子は、親にとってはとても育てやすいですよね。親が「こうしなさい」と言ったらイヤと言わずきちんと聞くし、物事への順応性も高いので、コントロールしようと思えばできてしまいます。

そういう気質を持っている子どもに対し、マッチングとして、親が過度に指示を出す、管理するようなタイプであると、過干渉になり、子どもが「親が思ういい子にならなくちゃ」という思考に陥り、「“いい子である自分”をお母さんは許容している」という理解になり、関係性が歪んでしまいます。

子ども自身の気質だけでは「いい子症候群」にはなりません。育てやすいタイプの子どもに対して、親の過度なコントロールが入ってしまうことで影響され、本来であれば素直ないい子に育つところを曲げられてしまうのです。

子供の気質×親の接し方という親子の掛け合わせによって起こりやすいので、どちらか片方だけでは基本的にはなりません。