3:結果より過程を褒める
「いい子症候群」の子どもは、人の指示通りにするのは得意ですが、独自の発想を生み出すのが苦手なことがあります。そういう場合は、自分で考えたり工夫して何かを生み出したことに対しては特に、「いいアイデアだね」などと言葉でしっかり褒めてあげましょう。
点数に特化した褒め方をやめることも重要です。いい子タイプの子は勉強も真面目に取り組むので、1位とか100点とか、数字で表れるような結果を出すことが多いです。
そこに親が飛びついて褒めると、「100点を取る自分だから認めてくれるんだ」「もっともっといい子でいなくちゃ」という意識を強めてしまいます。
それよりは「毎日ちゃんとやっていたから100点だったね」とか、「毎日練習したからいい順位が出たんだね」というように、結果の手前にある過程のがんばりの部分、その子の本質的なところを褒めてあげるようにしてください。自信につながります。
4:自分で考えて決断をする経験を生活に盛り込む
「いい子症候群」に当てはまるということは、親の管理がかなり強くなっている状態だと思われます。
そうすると、親が何でもかんでも決めてしまっている可能性があるので、「このことについてどう思う?」「これはあなたが決めていいよ」など、自分で自由に考えたり表現したり、決断することを積極的に子どもの意思に委ねてみるのもおすすめです。
意見を聞いたり、決断を委ねたりする機会をふだんの生活の中にあえて取り込んでみるといいでしょう。
5:「失敗してもいいんだよ」と伝える
いい子症候群の子どもの中には、親の期待に応えようとするあまり、「失敗したらどうしよう」「もし失敗したら受け入れてもらえないんじゃないか」という思考に陥り、失敗しないためにチャレンジを避ける行動をとる子もいます。
自己肯定感にも繋がりますが、その子のいいところばかりを褒めるのではなく、ダメなとこもひっくるめて丸ごと大好きなんだよ、ということを日頃から伝えてあげてほしいです。
先生などに注意されたり、ちょっと一言何か言われたりするだけでとても傷ついてしまう子も多いですが、落ち込んでいたら「たまに怒られるくらいでちょうどいいのよ」と子どもの失敗を受け入れたり、「お母さんが小学生のときなんてこうだったよ」と自分の失敗談を話したりすることで、子どもの不安な気持ちもほぐれるのでおすすめです。
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子どもの気質は、持って生まれてきたもので、基本的に変わらないもの。変えられないところを無理に変えようとするのではなく、親がその子のタイプに合わせてじょうずに誘導してあげることが大切です。
「いい子症候群」と言われる子どもは、基本的な気質として素直で優しいいい子です。管理しすぎず見守って、「あなたのいいところもダメなところも大好き」と伝えることで、いい部分を伸ばしてあげられるといいですね。
<取材協力>
佐藤めぐみさん(公認心理師/All About「子育て」ガイド)
育児相談室・ポジカフェ主宰 & ポジ育ラボ 代表。オランダ心理学会認定心理士。ママ向けの学びの場「ポジ育ラボ」と相談の場「ポジカフェ」を運営。生活総合情報サイト「All About」にて0~10歳の育児に役立つ子育て心理学を発信している。