その性格を変えることはなかなか難しいですが、親が日常的に次のような言葉をかけていないか、ちょっと気を付けてみましょう。
例えば
- 「優勝できなくてお前は悔しくないのか!お母さん(お父さん)は恥ずかしい!」
- 「優勝しないと意味がないのよ」
- 「優勝できなくて残念だね。今度は頑張って絶対に一番を取ろうね」
こうなると、子どもには「ナンバーワンでないと意味がない、負けることは悪いこと」という価値観が次第についていきます。
ある一定の条件をクリアしないと認めない、褒めない等、“条件付きの愛”を与えていないでしょうか?
子どもが勝っても負けても、努力しているその過程を認め、あるがままを受け入れてあげましょう。
解決策
家庭で、子どもがゲームですねてしまったとき、周りの大人が子どもを「王様」にしないようにしましょう。
具体的には「僕、これ以上続けても勝てないから辞めたい!」と言い出したときは、その言葉をスルーしてそのまま家族でゲームを続けてください。
他に一緒にゲームに参加する家族がおらず、ママと子ども二人だけでやっていた場合は、ママ一人になっても、最後まで続けましょう。女優になって演じるのです。
そして、「途中で負けそうになって辞めるんだったら、明日からはゲームには参加しないでね。ママ一人でやるから」と淡々と言うのです。
実は子どもの本心は「ゲームをやりたくて、やりたくて仕方がない」のです。だから、「もうやらせてもらえない」となってしまうことは、最も避けたいことなのです。
私は教室では先生という立場でしたので「負けそうになっても最後までやり抜くことと、負けそうになったからと途中で辞めてしまうのと、どっちが立派かな」と説明しました。これで子ども達は理解しました。
他人ではなく、親が言って伝わるかどうかは?ですが、試しに家庭でもこのフレーズを使ってみてください。
良くない対応
決して、「負けると大騒ぎするから、わざと勝たせてやろう」としないこと。王様にしないこと。「一番にならないと気が済まない」思考癖が付いてしまうからです。
それから、大人がわざと負けていると、次第にそのことが子どもにばれてしまい、面白くないゲームになります。それから「親は自分の思い通りに動いてくれる」と子どもは思うようなります。
しつこいようですが、子どもが泣いてもわめいても、その結果を受け入れさせるために泣かせておきましょう。放っておくのです。
そして、子どもが参加するようになったら“3回ゲームをやったら1回は親が勝つ”などの“負け体験”も意識的に経験させましょう。
まとめ
人生にはお受験に不合格になった、就職先に恵まれない、恋愛で失敗するなど、自分の思い通りにならないことが沢山起こります。もしかしたら、思い通りにならないことの方が多いかもしれませんね。
負ける体験を経験しないで育ってしまうと、失敗したときにポキンと折れてしまう“ヤワな心”が育ってしまいます。ある意味“耐性”が付いていないのですね。
適度に挫折感を味わうことで精神的にタフになり、その後の人生で壁にぶつかったり、人より出来なかったときに、そんな自分を受け入れられる精神力も付いていきます。
ただし!
いつも負けてばかりいる子どもには成功体験もさせなくてはなりません。そんなときは、“記憶力や瞬発力だけに頼るゲーム”ばかりでなく、トランプの“坊主めくり”のような“運に任せるゲーム”を取り入れる大人の配慮も必要になります。
「騒がれたら後が大変」と勝たせるのは止めて、泣いても怒っても、計画的に知らん振りするのも教育上必要です。