四半世紀ぶりとなる大回顧展
大阪中之島美術館で開催後、東京へと巡回する『大阪の日本画』(大阪中之島美術館 1月21日〜4月2日、東京ステーションギャラリー 4月15日〜6月11日)は、近代大阪の日本画が会期中150余点も勢ぞろいする史上初の展覧会だ。
北野恒富や島成園、菅楯彦や矢野橋村など、50名を超える大阪の画家たちの作品は、伝統や格式にとらわれず、自由でのびのびとした表現のものばかり。東京とも京都とも異なる、個性的な芸術や文化が育った都市・大阪生まれの日本画の魅力を浮き彫りにしながら、「大阪画壇」についても紐解いていく。
一度見たら忘れられない強烈な妖艶さを漂わせる人物画で知られる“京都画壇の異才”甲斐荘楠音(かいのしょうただおと)の実に四半世紀ぶりとなる大回顧展も大きな注目を集めそうだ。
『甲斐荘楠音の全貌』(京都国立近代美術館 2月11日〜4月9日、東京ステーションギャラリー 7月1日〜8月27日)では、大正期から昭和期の京都画壇で活躍した、その画業についてのみならず、戦前に映画界へ転身を果たした映画人・演劇人としての甲斐荘についても光を当て紹介。近年発見された甲斐荘が手掛けた時代劇衣裳なども展示し、ジャンルを超えて鮮烈な個性を放ったその生涯を展観する。
毎年、日本各地の古刹の名品を紹介する展覧会が開催されているが、今年は、鎌倉時代前期、円爾(えんに)によって開山され、京都五山のひとつに数えられる禅寺のひとつ、東福寺に注目だ。
東京国立博物館で開催される特別展『東福寺』(3月7日~5月7日、京都国立博物館10月7日~12月3日)では、「画聖」とあがめられた絵仏師・明兆(みんちょう)の大作《五百羅漢図(ごひゃくらかんず)》の現存する全47幅を修理後初公開(会期中展示替えあり)するほか、巨大伽藍にふさわしい特大サイズの仏像や書画類の優品など、東福寺の寺宝約200件を紹介。大陸から日本に禅宗文化がどのようにもたらされ、花開いていったのかをじっくりと紐解いていく。