その子のためになる「甘やかし方」

「うちは男の子ふたりの兄弟で、次男が甘えん坊で私にべったりのせいか、長男もつられてあれこれと要求してきます。

甘えてくれるのはうれしいけれど、小学生になってからはさすがに何でも応えるのは子どもが成長しないと思い、『一緒に遊ぶのは宿題が終わってから』『ママのところに来るのは部屋の片付けが終わってから』とルールを決めました。

何でも禁止してしまうと子どもたちはショックを受けるだけで、やるべきことをやってから、とわかると自分から動くような気がします。

小学校入学と同時に始めたのが子どもたちにもいい区切りになったのか、帰宅後すぐに宿題のプリントを広げる長男を見て、次男も同じようにひらがなの本を開いたりするのを見ると、甘やかし方も工夫する必要があると実感しますね」(35歳/ホテル業)

「我が家は一男一女、自立心旺盛で何でも自分でやりたがる長女に比べ、『ママがやって』と着替えをいつまでも頼んでくる長男は、小学生に上がってからもやっぱり自力で考えて動くことを嫌がり、宿題も明日の準備も私にお願いしてきます。

それを見た年下の長女が『おこちゃま』とからかって喧嘩になることも多く、これではいけないと思っていました。

長男はお願いごとを私が断るとグズグズと泣き出すので、『あなたならできるから、大丈夫』『まずはやってみてごらん』と辛抱強く声をかけて自分でさせるようにしました。

泣けば親が何とかしてくれる、と以前の長男は思っていて、それが通用しないとわかるとショックなのも伝わり、私だってつらいけれどいい甘やかし方を考えたくて。

宿題を自分で進める、明日着る服を自分で用意する、何かできればそのたびに『えらいね』『自分でできたね』と褒めて、それを見てすねる長女にも声をかけながら、達成感を大事にしているつもりです」(36歳/総務)

環境が変わっても、今まで通りパパやママに世話を焼いてほしいと思うのが子どもの心。

それに応えるのももちろん愛情ですが、一方で成長と同時に増えていく「自分でできること」の発見も大切にしたいですよね。

親がやってくれていたことを自分でもできるのだとわかり、進んで行動することが自立であり、心が健全に育つためにはそれを認めてくれる親の姿が欠かせません。

「良い甘やかし方」は、「がんばったね」と声をかけること、間違いがあっても否定しないこと、行動を肯定することだと筆者は思います。

何かを与えるようなご褒美だって子どもにとってはわかりやすくうれしいことですが、それ以外にも、親がわかってくれる姿が自分への自信につながるのですね。