「誰かを好きな自分」をまず受け入れる

それでも、「先に好かれてから好きになりたい」と思う受け身の人は、過去の経験から自分の気持ちを素直に伝える勇気が持てません。

「傷つきたくない」の本音が「無駄な努力はしたくない」と行動にブレーキをかけ続け、一方で自分が覚える好意について強い葛藤を抱えます。

好かれていなくても、相手に良いところがあれば好意や思慕が自然に生まれるのが人間で、一度自覚したら逃げられないその感情をまっすぐ育てられない、「芽生えた好意をまず自分がうまく扱えない」状態が受け身でいる人には見えます。

在り方に自信がないことで、誰かを好きになる自分を正しく認められないのですね。

誰かを好きになることにも勇気がいります。

自分以外の誰かを受け入れる器を用意することは、「その自分」に前向きな気持ちがないとできません。

人を愛するのは「その自分」も同時に愛することであり、これができないために受け身の人は苦しみます。

「こんな自分が人を好きでいていいのか」「こんな気持ちは持ってはいけないのでは」と自身の気持ちを否定してしまうため、「伝える」まで心の動きが伸びないし、相手から拒否される場面しか想像できないともいえます。

受け身の自分を変えるためには、まず「誰かを好きな自分」をきちんと認め、「大丈夫なのだ」とOKを出す勇気が欠かせません。