「小学3年生の娘はちょっと気難しいところがあって、家では機嫌を損ねるとずっと無言で私や夫を遠ざけます。
学校で友達とうまくやっていけるか心配で、コミュニケーション能力に問題があるかも、とスクールカウンセラーの方に相談したこともあります。
学校からの報告では極端に人を拒絶する様子はないらしく、問題を起こす話もないので安心はしていましたが、参観日は学校がいつもと違う雰囲気になるので『癇癪を起こしたりしないかしら』と不安でした。
時間になり教室に行くと、自分の親をチラチラと見る子に混じって、娘も私の姿を探しているのか何度も廊下や後ろを振り返っていました。
ようやく私を見つけると笑顔になってくれてほっとしたのですが、次の瞬間娘が『ママー!』と立ち上がってぶんぶんと手を振って。
授業は始まっており、先生もほかの子もびっくりしたように娘に注目して、恥ずかしかったです……。
『いいから、座って』と言うとすぐ着席して前を向いたけど、まさかこんな娘の姿を見るとは思いませんでした。
参観日に母親が来てくれてはしゃいだのかなと思います。
その後も私を確認するように何度も視線を向ける娘は、家とは違う落ち着きのなさがありました。
母親として娘の気持ちはうれしいけれど、もうちょっと授業に集中してほしいなとも思いましたね」(36歳/公務員)
学校で子どもがどう過ごしているか、家での状態に不安があると参観日に向かう親も緊張しますよね。
予想外に喜びを表してくれる子どもを見ると感動するけれど、授業中だと受け止めてあげられないのがつらいところです。
親が学校に来る参観日はめったにないだけに、テンションが上がる我が子の姿は自分への愛情を知る機会でもあります。