東横線白楽駅。改札を出てすぐの場所に「六角橋商店街ふれあい通り」というアーケード街がある。終戦直後にひらかれた闇市を発祥とする、昭和の歴史と趣きを感じるディープな商店街だ。
自転車が2台通れるかどうか、それぐらい狭い狭い商店街だが、居酒屋、花屋、魚屋、洋品店、袋物屋、惣菜屋、鶏肉屋、古着屋など小さい店が肩をよせあうように佇んでいる。
そのなかにブルーの看板を掲げた、オシャレなパン屋がある。今回紹介する『ラ ブティック ドゥ マモル』である。
以前オリーブが入ったパンを近くの駐車場で買い食いしたらめちゃくちゃうまかった。その足ですぐにUターン、別のパンとお菓子を1個ずつ買い食いした。
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以前オリーブが入ったパンを近くの駐車場で買い食いしたらめちゃくちゃうまかった。その足ですぐにUターン、別のパンとお菓子を1個ずつ買い食いした。
ディープな商店街に、なぜこんなにうまいパンを焼く店があるのか。それが気になり、取材をお願いした。
華麗な経歴のパン職人が昭和な商店街に出店したワケ
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パン職人の名は中山護さん。
中山さんは『ル・コルドン・ブルー代官山校』でパン作りを学んだ。その後、自由が丘のパン屋に入店。パン職人として働きはじめた中山さんに、ル・コルドン・ブルー代官山校でお世話になったフランス人講師からお呼びがかかった。
「学校併設のカフェをオープンするので手伝ってほしいという話でした」
『ル・コルドン・ブルー ラ・ブティック』(その後、『カフェ ル・コルドン・ブルー』に改名)で、クロワッサンやブリオッシュなど30種類のパンを焼いた。
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代官山のカフェを辞めて、パン教室の講師に就任。その系列会社がパリと都内に多店舗展開しているパン屋だったことからパリの店で研修を受けることになり渡仏。
帰国後、パン教室でフランス仕込みのパン作りを教えた。
……といった経験を経て2020年に独立。ラ ブティック ドゥ マモルをオープンしたそうです。
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オシャレな町の厨房でパンを焼いていた人がなぜ「六角橋商店街ふれあい通り」を選んだのか。
「商店街でやりたかったんですよ。この商店街には昔からの伝統を大切にしている人がいます。そして、なによりもこの商店街には味があるし。だからここを選びました」
ル・コルドン・ブルー ラ・ブティックのレシピと、パリ仕込みのレシピを元に、現在30種類以上のパンとお菓子を焼いている。
そのなかからぜひ食べてほしいパンとお菓子を5つ選んでもらった。
真っ先にあげてくれたのが「クロワッサン(240円)」。
「日本では全体がサクサクしたクロワッサンが好まれますが、フランスでは表面がサクサクで、芯がもっちりとした食感が求められます。国産発酵バターを使い、フランス人好みのクロワッサンを焼くように心がけています」
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中山さんのクロワッサンは、皮がサクサクで芯はもちもち。バターの風味も豊か。
フランス人講師にパン作りの指南を受け、その後パリのパン屋で研修を受けただけにクロワッサンはおいしかった。
まだ賞味していないが、クロワッサンショコラもおいしそうだ。