3 天気性頭痛の症状
天気性頭痛には、「片頭痛」や「緊張性頭痛」などがあります。それぞれ種類によってメカニズムが違うため、症状が異なります。具体的にみてみましょう。
3-1 片頭痛
頭のこめかみから額にかけてズキズキとうずくような痛みが「片頭痛」の特徴です。
メカニズムはまだ詳しく解明されていませんが、近年の研究では、何らかの原因で血管が拡張し、周りの神経を圧迫して痛みが生じるのではないかとされています。
この血管が拡張してしまう原因のひとつに、天気の変動があります。
気温や湿度、気圧などの急激な変化によって自律神経が乱れてしまうと、体内の水分量の調整がうまくいかなくなります。余分な水分が血液内にたまることで、血管内部に圧が生じて血管が拡張してしまうのです。
また、天気が崩れ低気圧になると、普段からだにかかっている気圧が低くなり、血管が膨張(拡張)してしまう、ともいわれています。梅雨時によくみられる頭痛は、この低気圧が原因であることも考えられます。
3-2 緊張性頭痛
頭全体がぎゅっと締めつけられるような感覚の痛みが「緊張性頭痛」です。首や肩周りの筋肉周辺が収縮することで、頭痛を引き起こします。
緊張性頭痛のメカニズムにも諸説ありますが、天気の変動によって起きる緊張性頭痛は、自律神経が乱れ、血液の循環が悪くなることに原因があるといわれています。血流が低下すると、血流を促そうと筋肉が収縮するためです。
天気の変動以外にも、長時間のパソコンや携帯電話でのメールによる悪姿勢、あるいは精神的ストレスがかかることで血流が悪くなり、緊張性頭痛が起きることもあります。
4 知って安心! 天気性頭痛への対処法4つ
頭痛の原因が天気の場合は、ちょっとした方法で対処することができます。どれも手軽で便利なので、知っておくと安心です。
4-1 お天気アプリを活用する
まずは、気象データとその日の体調を記録することからはじめましょう。
気温や湿度、気圧などの変化が、自分の頭痛とどう関わっているかを知ることが大切です。頭痛の発症パターンがみえてきたら、外出を控えたり薬を準備したりと対策ができます。
最近では、天気性頭痛の予防を目的に作られたアプリも登場しています。
たとえば、天気とからだの不調をグラフで記録できるアプリは、体調の自己管理に利用できます。一定期間の記録をし、かかりつけ医に相談するのもいいでしょう。
ほかにも、気圧変化をアラートで知らせるものや、頭痛に悩むユーザー同士で情報交換ができる機能をもつものもあります。ひとりで悩むのではなく、理解してくれる方と交流するだけでも気持ちが少し楽になるでしょう。
お天気アプリは、種類によって機能がさまざまです。ぜひ自分に合ったアプリをみつけてみてください。
4-2 耳の血行をよくする
耳の奥にある内耳は、自律神経と関係していることがわかっています。内耳には気圧変化を感じとる機能があり、気圧変化は自律神経に影響を与えるからです。
内耳の血行をよくし正常に働かせることで、自律神経を整えて頭痛を緩和させることができます。さらに、日頃から耳の血行をよくするように意識することは、頭痛予防にもつながります。以下のような方法を試してみましょう。
・温める
耳の毛細血管は細くて血流が少なく、冷えやすい部位です。日頃からなるべく耳を冷やさないようにしましょう。とくに冬の寒い日は、耳の後ろ側にホットタオルや温かいペットボトルを当てるといいでしょう。また、イヤーマフや帽子などで防寒対策を心がけることも有効です。
・マッサージをする
両耳をつまんで上下や横に引っ張ったり、つまんだままクルクル回したりします。さらに、耳を上下半分に折り曲げ、左右5秒間ずつキープしてください。
いつでも手軽にできるマッサージなので、日常の隙間時間に試してみましょう。