<ポイント3:快適な睡眠と移動>

レース前日は、緊張して眠れないという方がいらっしゃるかもしれません。しかし睡眠不足では、本来の力を発揮できないでしょう。

私はレース当日、スタートの3時間前には起きるようにしています。そして就寝するのは、そこから逆算して最低でも6時間前。就寝前にお風呂で体を温め、そのまま布団へと入るのがいつもの流れです。遠方のレースでは近くに宿泊することもありますが、その際は「ベッドが小さい」「部屋が汚い」などは避けるように選んでいます。

もちろん資金も関わることですが、もし移動に1時間以上かかるのであれば、できるだけ付近に前泊したいものです。

あまりに遠いとそれだけ早起きしなければいけませんし、レース当日の電車は混みます。まして、東京マラソンのような大会では、電車で座れることなど奇跡的。移動中ずっと立ち続けることで、レース前から疲れてしまいます。

また、近くに宿泊していると、電車の時間などで朝慌てることもありません。気持ちに余裕を持って、ゆっくりと睡眠を取ることもできるでしょう。

■出場者向けの宿泊プランを利用する


大きな大会では、旅行会社のパッケージツアーや、ホテルでランナー向けの特別な宿泊プランが用意されていることも少なくありません。中でも「初めてマラソンに出場する」といった方は、こうしたものを利用するのもお勧めです。

東京マラソンなら、例えば東京マラソンウィークの一環として「ハイアット リージェンシー 東京」でランナー向けの宿泊プランが設けられているようです。「ハイアット  リージェンシー 東京」といえば、スタート地点の目の前にある高級ホテルです。これだけで、先に挙げたポイントの「快適な睡眠と移動」は問題ないでしょう。しかしこのプランを例に挙げた理由は、ホテルの立地や質だけではありません。

このプラン、「“アミノバリュー”ランナーサポートステイ」という名称になっています。ランナーの方であればご存知かもしれませんが、アミノバリューは『BCAA』に着目したサプリメントです。実は私も、レース前のBCAA補給によく利用しています。その中でドリンクタイプのものもあり、歩きながらでも飲めるのが便利なんです。

ちょっと脱線してしまいましたが、その名の通りこのプランは「ランナーをサポートするため」に作られています。具体的には、宿泊者に対してアミノバリューを販売している大塚製薬が、次のようなサポートを行ってくれるとのこと。

・前日に、専門家による大会攻略のセミナーを受けられる
・本番直前に、トレーナーからストレッチなどのコンディショニング指導を受けられる
・アミノバリューを提供してくれる(栄養の補給方法などの指南付き)

事前準備や当日のポイントをご紹介していますが、これは私がこれまで数多くのマラソンに出場したうえで、実体験から感じていることです。まだランニングを始めて日の浅い方であれば、言われただけで理解することは難しいかもしれません。何よりサポートしてくれる人、そして同じプランに参加し、レースに臨む仲間ができることは、大きなメリットといえるでしょう。

ちなみに、宿泊する客室のベッドはキングサイズ! 狭くて落ちたり、かえって疲れたりする心配もありません。また、マラソン時に不要な荷物をゴール地点まで届けてくれるので、わざわざホテルまで取りに戻ったり、コインロッカーに預けたりする必要もありあません。

東京マラソンはスタートとフィニッシュが別の場所にありますので、私も出場した際、フィニッシュ後にホテルへ戻るという知り合いがいました。都庁と東京ビッグサイトでは結構な距離がありますし、フィニッシュ後はご飯を食べるなどゆっくりしたい方も多いでしょうから、「レース後も楽しむ」ためにありがたいサービスだと思います。

遠方からいらっしゃる方はもちろん、都内近郊でも少し遠い方や、とにかく安心してレースに臨みたい方は、こうしたプランを活用してみるのも良いでしょう。