虎杖悠仁の魅力

撮影/興梠真穂

それほどに佐藤を悩ませた、虎杖悠仁というキャラクター。主人公としての彼の魅力を、あらためて佐藤の言葉で語ってもらうと「人間離れした身体能力と、ギャグパートの面白さ。それでいて人間としての真っ直ぐさもあるし、悩むこともあるし、人を慰めることもある。

身体能力と人間くさい中身のギャップ、そして設定でも『根アカ』とされているんですけど、本当に明るくて主人公らしいキャラクター。見ていると、元気や勇気をもらえますね」という。確かに、正統派の主人公といえる人物だ。

そんな虎杖を演じたことで、佐藤としては「俳優として、虎杖っぽい役の引き出しが増えたことは素直に良かったと思います。役者として壁は厚いほうが良いというか、苦手分野に挑戦する方がより成長できる。『良薬口に苦し』ということで、ありがたいですね。あと前回は大阪公演で怪我をして多大なご迷惑をおかけしてしまったんですが、そこで折れない心・精神が培われたのではないかと」という。

前回の舞台では、虎杖が呪術師となって東京都立呪術高等専門学校に通い、呪術高専の仲間たちと共に特級呪霊・真人や特級呪術師・夏油 傑といった因縁の敵と戦う姿が描かれた。

そして今回の舞台第2弾では、呪術高専京都校との穏やかならざる交流会、そして起首雷同では伏黒 恵の姉にまつわる事件に挑むことになる。いわば2本立てともいえる内容になっており、佐藤自身も「起承転結がわかりやすくて、見やすいと思う」と語る。

そこで描かれているのは、虎杖の成長。佐藤はそれを、交流会ではフィジカル、起首雷同ではメンタルの成長をとげる、とする。そこは、今回の大きな見どころだろう。