ヨシタケシンスケさんの絵本『このあとどうしちゃおう』を知っていますか?
亡くなったおじいちゃんが残した1冊のノート。そこに描かれていたものは?ユーモアがありながらも、「死」と「生」について考えさせてくれる、大人にこそ読んでほしい1冊です。
『このあとどうしちゃおう』あらすじ
おじいちゃんを亡くした男の子が、おじいちゃんの部屋で「このあとどうしちゃおう?」と書かれたノートを見つけます。
そこには「自分が死んだらどうなりたいか、どうしてほしいか」が書いてありました。
具体的な内容は?そのノートを読んで、男の子が思ったことは?
わずか31ページほどの絵本ですが、心がポッと温かくなる内容が詰まった絵本になっています。
『このあとどうしちゃおう』がおすすめな理由
『このあとどうしちゃおう』の内容について少し深掘りしながら、筆者のおすすめのポイントを紹介していきます。
まるで「おじいちゃんのノート」を読んでいるみたい!
この絵本の前半部分は、作中に出てくる「おじいちゃんのノート」を実際に読んでいるかのような描き方なんです。
天国がこんなところだったらいいな、こんな神様がいてほしいな、こんなお墓をつくってほしいな、などの内容が可愛らしいおじいちゃんの絵とともに描かれています。
「いじわるなアイツはきっとこんなじごくにいく」というページでは、「誕生日にもらえるケーキが苦い」や「トイレが1個しかない」など、たしかにイヤだなと思いつつも、くすっと笑ってしまうような内容です。
特に筆者が気に入っているのが「みんなをみまもっていくほうほう」というページ。月になったり、リンゴになったりしながらおじいちゃんが男の子を見守る様子が描かれています。
読みながら、筆者も亡くなった親族のことを想い、「見守っていてくれているのかな」と心が温かくなりました。
とにかくかわいい!おじいちゃんと男の子
ヨシタケシンスケさんの絵本の魅力は、柔らかな色合いとほっこりしたかわいらしい絵にもあります。
少し重く思えるテーマの「死後」ですが、登場人物のおじいちゃんと男の子の素朴で可愛らしい姿が、“気軽”に本書を手に取る手助けをしてくれているように思います。
社会や大人の価値観をくすぐるような絵本の数々で知られるヨシタケシンスケさんですが、絵本がモチーフになったガチャガチャがあったり、展覧会が開催されていたりと、イラストを入り口にファンになる人も少なくないようです。