『リズと青い鳥』©武田綾乃・宝島社／『響け！』製作委員会
本田：リズは大人しくて、少女は天真爛漫で喜怒哀楽が激しい女の子、演じるうえで決まっていたのは、それだけですね。
性格でその子の声が決まると思いますし、テンションが違うことによって、違う人がしゃべっているように聞こえるという、そういう感じを演じたかったんです。
ただ、声だけっていうのもあって、いつもよりもオーバーに演じました。
――順調にアフレコは進んだんですよね。
本田：「もう終わっちゃって大丈夫かな」って思ったのは、初めてですね。それくらい、本田望結がどこかにいるような感じで、同じ子が演じているっていうので良いみたいでした。
それが凄く面白かったですが、ちゃんと違いはつけられたので、作品が出来上がってどういう掛け合いになっているのか、楽しみにしています。
本田さんはリズと少女、どちらに似ている？
撮影：市村岬
――本田さんのパーソナルな部分もお聞きできればと思います！ 普段本田さんは、アニメ作品って観られていますか？
本田：どちらかというとドラマの方が多くなってしまいますけど、『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』などTVでやっているアニメを普通に観ています。
主人公の子が本当にいるような感覚になるのが、アニメの良いところだと思っています。「こういう子、どこかにいるよね」っていう感じになるのが、面白くて好きですね。
――女優として演じるというところでは、ドラマと声優のお仕事は一緒だと思うんですけれど、演じ方や手ごたえって違ってきますか？
本田：声だけっていうのが大きな違いなんですけど、声だけだからこそ伝わることもたくさんあります。
ナレーションとは違って、アニメだと声を吹き込んでいる女の子が動いて、その子に合わせて私たちが声を入れていくので、そういう点に関しては、少し似ているんじゃないかなと思います。
アニメなので実在はしないですけれど、その子に合わせていくうちに、勝手に自分たちの妄想が始まって、「こういう子なのかな、こういう子にしよう！」みたいな。
本作はそうじゃなかったので、本当に難しかったですね。新しいことをさせて頂いたなと思います。
――劇中では、「リズと青い鳥」という曲と童話に、登場人物のみぞれと希美がそれぞれを重ねていきます。本田さんはリズと少女、どちらに似ていると思いますか？
『リズと青い鳥』©武田綾乃・宝島社／『響け！』製作委員会
本田：うーん、自分の性格って、みんなからはマイペースって言われるんです。でも私的には、ちゃんときっちりした時間に着きたいと思っていて、マイペースって何だろうって。
――真逆ですよね（笑）
本田：私はまだ血液型が判明していないんです。お姉ちゃんから「マイペースだから望結はO型じゃない？」と言われていて、いまはO型ということになっているんですよ。
――設定上O型になっているんですね（笑）
本田：だから自分の性格も、よく分からなくて。きっちりしたいので、服とかも綺麗に収納したいんです。けれど、みんなからはのんきとか言われるので、今ここにいる自分と、家にいる自分は違うのかなって思っちゃうんですね。みんなからはどう思われているんだろうって、気になるし。
――リズか少女か、どちらか選びづらいという。
本田：自分としてはお姉さん風にがんばろうと思ってリズなんですけど、でも喜怒哀楽が激しいとまわりから言われるから……。
――ほかの方から見れば、少女寄りで。
本田：そうなんです。自分では何とも言えないんですけれど、1つのことに集中しちゃうので、2つのことを一気にするのが苦手かもしれないですね。
「今日まで楽しかった！」って思えるくらい、毎日を大切にしたい
――「リズと青い鳥」というのは劇中で演奏される曲名でもあり、『響け！ユーフォニアム』から本作でも、音楽が物語のキーになっています。
それと同時に「光」というのも作品のキーポイントになっていると思っていまして、本田さんにとって「光」を感じる瞬間って、どんなときでしょうか。
撮影：市村岬
本田：おっしゃっている「光」とは違うかもしれないのですが、いつでも輝いていたいです。いつでも元気に明るく笑顔でいたいし、「望結ちゃんって暗いね」って言われるより「望結ちゃんって元気だよね」って言われる方が嬉しい。
でもけっこう考え込む性格なので、1人で考えちゃうとすごく機嫌悪く見えるんですね。わざわざ話しかけてくれているのに、「ごめん、集中しちゃった」っていうことが多くて。ちゃんと毎日笑顔で頑張りたいし、いつでも輝けるような、誰かが「こんな人になりたい」と目標にしてくれる人になれたらいいなって思います。
――素敵な目標です。
本田：役者としても、今回山田監督が私の名前を指名してくださったみたいで、本当にうれしかったです。だからこそ毎日毎日輝けるようにしたい。
もちろん、いつどんなことが起こるか分からないし、泣いたり悔しかったりすることも、人生の中でとても大切なことだと思うんです。「生きているって何なんだろう」とかいろいろ考えますし、そういうのを考えたらきりがないですけど、そう考えると毎日幸せに過ごしたいし、もし今人生が終わっても「今日まで楽しかった！」って思えるくらい毎日を大切にしたい。
「今日嫌なことばっかりだったな」って思って終わっちゃうのは、すごく悲しいので、毎日自分からでもいいので、楽しいことを作りたいです。
――自ら「光」となれるように。いまのお話を聞いていて、みぞれにとっての希美のような存在であり、そして考え込んでしまうところは、ある意味みぞれのようなところもあって。
そういう意味で、監督が本田さんを指名した理由も、そういうところにあるのかなと思いました。
