シェフのスペシャリテはスープ仕立てのモモでした

2個目は「ポークモモ」。

やや深い皿に盛られたモモに、サロズさんが温かいスープをかけてくれた。

スープ仕立てのモモをはじめて食べた。

金ゴマと大葉とパクチーの香りが素晴らしい。とくに大葉。

【MOMO Stand Tokyo】 ポークモモ。サロズさんがエベレストの麓のレストランで食べたモモをインスパイアして作った一品

「ネパールではシソの種を使いますが、大葉は使いません。日本人は大葉が好きなので使うことにしました」(サロズさん)

仕上げにギー(すましバター)をかけることで、大葉の香りが長くたつようにしているそうだ。

「ポークモモはサロズさんのスペシャリテです」ソムリエであり、オーナーでもある齋藤幸太さんは続ける。

「この店のコンセプトを決めたのは、サロズさんが自宅で作ってくれたこのモモがきっかけでした」

齋藤さんとサロズさんは西麻布にあったフレンチ出身。

「モモの話をサロズさんから聞いていましたが、食べたことはありませんでした」(齋藤さん)

モモ未体験の齋藤さんに、サロズさんが自宅でスープ仕立てのポークモモをご馳走してくれた。

「モモに、ワインを合わせたら面白いなあ、そう思いモモとワインの店をやることにしました」(齋藤さん)

【MOMO Stand Tokyo】 朝仕込んで発酵させた生地を麺棒で整形します
【MOMO Stand Tokyo】 モモの生地に餡を包み、きれいに仕上げていた

オープン前、モモの試作を繰り返した。

「包む部分が厚くなりがちだったことから生地の配合を変えました。でも、あえて生地を薄くしないことにしたんです」(サロズさん)

【MOMO Stand Tokyo】 包み終わったモモ。これを蒸し器で蒸します

厚みを生かしたモチモチのモモにすれば、おいしく食べてもらえると思ったからだ。

試行錯誤を繰り返し、モモとワインの店をオープンした。

【MOMO Stand Tokyo】 ひとつひとつ包んだモモを蒸すため、出てくるまでにちょっと時間がかかります