第4節を終えて2位につけるC大阪は、柿谷はじめ、主力がそろって残留しただけでなく、前線には2010年南アフリカW杯MVPのフォルラン、中盤には長谷川アーリアジャスール、守備陣にはゴイコ・カチャルを獲得してチームの底上げを図った。

フォルランばかりが注目されがちだが、センターバックのカチャルはセルビア代表でのキャリアがあり、ヘルタ・ベルリンやハンブルガーSVと、ブンデスリーガでプレーした経験もある今が旬の27歳。第3節の清水戦では、DFながら早速ゴールをマークしており、最終ラインでコンビを組む山下達也とともに今後もセットプレーでは得点源として機能することだろう。

フォルランも第3節までは枠外にシュートを外したり、好機でGKにセーブされたりと、見えないプレッシャーと戦っていたが、第4節の鹿島戦で待望のJリーグ初ゴールを記録。試合を重ねるたびに周囲との呼吸や連係もあってきているだけに、爆発はもう間もなくといった雰囲気が漂っている。

 

今シーズンの活躍を期待する日本人選手

随所にタレントをそろえるC大阪だが、それでも注目はやはり柿谷であろう。今シーズンの活躍を期待する日本人選手の調査においても、香川真司(19.8%)、長友佑都(16.7%)、本田圭佑(14.9%)の海外組に次ぐ、4位(13.3%)にランクインしており、サッカー経験者による調査では香川真司(33.0%)に次ぐ、2位(32.0%)をマークしている。

その期待通り柿谷は、ゴールを量産するだけでなく、チャンスメイクでもチームに貢献。特にフォルランの初ゴールをアシストした周囲を使った動きと絶妙なラストパスは、日本にいてもワールドクラスのプレーが見られると感じさせてくれるシーンだった。

その柿谷に次いで、期待されているのが横浜FMの中村俊輔(5位/11.0%)だ。攻撃を組み立てるパスや状況を打開するドリブルだけでなく、試合状況を瞬時に読み取り、チーム全体を動かしていく様は、まさにピッチの指揮官だ。マークが厳しくても決定的な仕事をし、周囲を生かすひとつひとつのプレーは、35歳になった今なお衰えることなく、むしろ輝きを増している。

若いうちに海外へ巣立つ選手が増えた昨今、Jリーグの人気や話題性を懸念する声もあるが、柿谷や中村は、ワールドクラスのプレーを見せてくれる。特に海外移籍を封印してまでC大阪のために残留した24歳の柿谷は、間違いなく今シーズンのJリーグを牽引していく存在と言えるだろう。