人間関係は多ければ多いほど良いのか?

ロバート・ウォールディンガー教授 ウェルなわたし

─── 人間関係は多ければ多いほど良いのでしょうか?

どれだけ多くの人間関係が必要かというのは、人によって変わってきます。

自分の人生を豊かにしてくれる人間関係の大きさを理解することが大切なのです。

世の中には、外交的な人もいれば内向的な人もいる。そしてその二つの性質はグラデーションで繋がっており、二つに切り分けて分類できることでもありません。

多くの人間関係を構築することでエネルギーを得る人もいれば、限られた人数の中で深い関係を構築することに幸せを感

じる人もいます。私たちの研究でわかったことは、人間は、自分が助けを必要とした時に頼れる人が1人か2人は必要だということです。

─── より良い人間関係を築くための、今日からできる人生のコツはありますか?

Couple raise hand up on sunset sky at beach and island with birds flying abstract background. Freedom and travel adventure concept. Vintage tone filter color style.

私たちの研究では、人間関係を持つことによって人は幸せになるだけではなく、身体的にも健康でいつづけることができることが判明しています。そして人間関係は、必ずしも家族や友達である必要はなく、よりカジュアルな関係でもいいんです。

例えば、スーパーやコーヒーショップで知らない人と立ち話をした経験はありませんか?そういった小さな交流も、実は幸せな人生を送る鍵なんです。

日本人は西洋人と比べて知らない人と話すことが少ないと聞いたこともありますが、居酒屋という交流にぴったりな場所もありますし、お酒が好きな人は居酒屋でお店の人や他のお客さんと言葉を交わしてみるのもいいかもしれませんね。

もちろん、お酒との付き合い方に気をつけながら、ですが(笑)。

後半に続く

1997年生まれ。LGBTQ(P)、she/they。2018年より日本で暮らす難民支援を開始し、2019−20年には中東とヨーロッパの難民キャンプでボランティアを行う。現在はソーシャルグッドがテーマのホステルで支配人をしながら、歌も勉強中。