ミュージカルの先輩としていろいろ教えてもらいました

撮影/阿部章仁

――初演と同じくユン・セリ役を務めるキムリョウォンさんの印象を伺えますか。

僕はほぼ全員の出演者と呼吸を合わせなくていけない役どころでしたけど、その中でも特にリョウォンさんとのシーンが多かったので、たくさんのことを学ばせていただきました。

リョウォンさんは韓国では多くのミュージカルや演劇に出演していて、経験が豊富なんです。だから、僕が稽古をしていて難しいと感じる部分があると、「こうすれば良くなるよ」という感じで、いろいろと教えてくださいました。

本番中もとても余裕があって、僕が緊張したとしても、そこをリョウォンさんがしっかりと支えてくださって、助けられました。そのおかげで良い相乗効果も生まれたんじゃないかと思います。

――ク・スンジュン役のジンジンさんとの共演はどうでしたか。

僕はミュージカルの経験が少ないこともあって、特有の発声法などを難しいと感じていたんです。けど、ジンジン兄さんは『ドリームハイ』や『冬の旅人』などのミュージカルにも出演していたので、ミュージカルの先輩としていろいろ教えてもらいました。

僕はドラマの出演経験はあるんですけど、同じ演技でもミュージカルは違う部分が多いと感じて。例えば、状況転換のスピードが、ミュージカルは早いんです。

そういうところをジンジン兄さんが見ていて、僕に「ちょっと遅いよ」と教えてくれることもありました。逆に、ボーカルの部分では、僕からジンジン兄さんに教えることもありました。

撮影/阿部章仁

――再演が決まったとき、二人で何か話しましたか。

ジンジン兄さんが「僕たち7月に日本に行くらしいよ」と言って、僕が「そうなんだ。頑張ろう」って。そんなやり取りをしただけです(笑)。

――多くを語らないのがお互いをわかり合っているチームメイトっぽいです。

初演のときはお互いに頼ることができました。やっぱり一人よりも、共に呼吸を合わせてきたメンバーが一緒にいると、寂しさも感じないですし、公演をしていても自信を持てたように思います。そういう意味で一緒にやれて良かったと思いましたし、今回も全く心配をしていません。

――再演に当たって、自分自身に期待することと、お客さんに期待してほしいところを伺えますか。

初めて観ていただく方はもちろんなのですが、初演を観た方が「この作品、面白かったよね。また観たいね」と言って、もう一回観に来てくださったら、すごくうれしいです。

僕自身のことで言うと、再演をするということは、僕が再びリ・ジョンヒョクに戻るということですよね。ユンサナではなく、リ・ジョンヒョクとして、他人の人生を生きることは、僕にとってある意味でストレス解消にもなるんです。

リ・ジョンヒョクでいる間は、僕が日頃するような行動や反応をしなくてもいいということにもなりますよね。そうすることで、逆に自分自身にこんな部分があったんだと知ることもできました。僕を通して表現するリ・ジョンヒョクを楽しく観ていただけたらと思います。

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