「サナらしいジョンヒョクがいい」

撮影/阿部章仁

――初演を観劇したとき、今のユンサナさんだからこそ表現できるリ・ジョンヒョクだと思いました。設定上のリ・ジョンヒョクの年齢よりユンサナさんは若いですが、それがまた個性に繋がっていると感じました。

オリジナルのリ・ジョンヒョクは強くてカッコいいイメージがありますよね。一方で、ファンの方や、世間の皆さんが思う僕は、末っ子のかわいいらしいイメージだと思うんです。

だから僕も最初はすごく心配をしていたんです。リ・ジョンヒョクという人をきちんと演じられるんだろうか。皆さんが納得する演技をしなくてはいけないと。

でも、演出家の方から「サナらしいジョンヒョクがいい」と言っていただけました。僕だけでなく、他の出演者の方々もオリジナルと比べると若い方が多いんですね。でも、そこに違和感を覚えることなく、多くの方がいいと言ってくださったので、それは本当に良かったなと思いました。

撮影/阿部章仁

――リ・ジョンヒョクはユン・セリに対して、好きな気持ちを素直に伝えられなかったり、愛するがゆえに嘘をついたりします。そんなリ・ジョンヒョクの愛情表現をユンサナさんはどう思いますか。

僕はリ・ジョンヒョクの考え方に100%共感しましたし、理解できました。彼は軍隊の中で中隊長というそれなりの職責を担っているし、さらに北朝鮮の人である彼が、韓国人のユン・セリを助けるわけですから、嘘をつきながら状況を作っていくのは仕方ないことだと思います。

僕はとても現実的なところがあるので、すごく理解できます。中隊長だからこそ、好きだからと言って自分のすべてを投げだすようなことは難しいと思います。僕も同じような状況に置かれたら、きっと同じような行動をとると思います。

――今回の公演は2週間と短いですが、その間に日本でやってみたいことは?

今回は会場(新国立劇場中劇場)が新宿に近いので、地域で有名な美味しいお店や、名所があれば行ってみたいと思います。新宿をマスターしたいですね。

――初演のときは、多少、日本を楽しめたのでしょうか。

はい。初演はWキャストだったので、出番がなくて一日何もない日もあったので、美味しいものをたくさん食べに行きました。あと、家族が公演を観に来てくれたので、その時、一緒に旅行をして、鎌倉に行きました。牛かつや焼き鳥を食べて、楽しい時間を過ごせました。


多忙なスケジュールの合間を縫って、韓国からインタビューに応じてくださったユンサナさん。こちらからの日本語の質問に通訳を介さず答えてくださる場面も。ミュージカルの稽古はもちろん、日本語の勉強を続けてくださっていることもうかがえました。

初演では、ドラマ版とはまた違った、ユンサナさんだからこそ見せられる新たなリ・ジョンヒョクが観客の皆さんを魅了していました。再演でさらに魅力の増したリ・ジョンヒョクに会えることが楽しみです!

作品紹介

ミュージカル『愛の不時着』
会場:新国立劇場中劇場
上演期間:2024年7月21日(日)まで ※全14回
チケットぴあにて発売中

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