刺激をもらえるいい撮影期間になりました

©2024「恋を知らない僕たちはー」製作委員会 ©水野美波/集英社

――直彦(窪塚愛流)、太一(猪狩蒼弥)とのシーンはどんな雰囲気でしたか。

監督からは、男同士でいるときにしか出さないようなノリとか、わちゃわちゃ感を大事にしてほしいと言われていて。だから、撮影以外でもたくさん話をして、距離を縮めていきました。それでこそ出せたテンポ感もあったのかなと思います。

関係性としては、友達同士ではありますけど、それぞれに恋心を抱えていて、応援したいという気持ちもありながら、ライバルでもあるという微妙な感じなんですけど。

――演じた窪塚さん、猪狩さんの印象は?

愛流のことは、本読みのときから「どういう人なんだろう?」と思ってよく見ていたんですけど、意外とおっちょこちょいで、抜けてる部分があって(笑)。可愛らしくて安心しました。そんな愛流が等身大で演じている直彦が、この作品にすごくマッチしているなと思いました。

ガリさん(猪狩)は、同じ事務所ですけどがっつり共演したことはなくて。ただしっかりしていそうだなというイメージは強かったんです。そしたら案の定、年上なんじゃないか?って思うくらいで(実際は猪狩が1歳年下)(笑)。現場の空気の作り方とか、座長を立ててくれるところとか、本当にしっかりしていました。

©2024「恋を知らない僕たちはー」製作委員会 ©水野美波/集英社

――座長として意識したことは?

これまでも主演作はあったんですけど、どの作品でも自分が座長だと意識したことがなくて。「ついて来い!」みたいな座長には全然なれず。今回も監督が座長っぽいことをしなくてもいいよと言ってくださったので、肩の力を抜くことができました。

物語の展開としても、6人のキャラクターがそれぞれの位置からストーリーを回していくので、主演という立場ですけど、6人のバランスを見ながら、その時にスポットが当たる人を立たせていくような構図がありました。

そこがこの映画の魅力かなとも思うので、みんなで足並みを揃えながらやっていましたね。やっぱり、座長としては何もできていないかも(苦笑)。

――皆さん、すごく仲が良さそうに見えるのですが、何かきっかけがあったのですか。

大変なシーンを一緒に乗り越えたとか。撮影スケジュール的にみんなで助け合わないといけない部分もあったから、一致団結して、部活のような感じもありましたね。

あとは、「おはよう」から「バイバイ」まで、たくさん話をしました。お互いに撮影で「こういうことがあったんだよ」って報告をし合ったり。地方に滞在しての撮影だったこともあって、合宿をしているような状態でした。

それから、意外と共通点も多くて。愛流は高校の後輩で、ガリさんは同じ事務所で、(齊藤)なぎさちゃんも元アイドルだったり。それぞれいろんな方面で頑張っている人たちが集まった感じもあって、刺激をもらえるいい撮影期間になりました。

――合間に話して印象的だったことは?

「泣く演技って難しいよね」っていう話とか。あまり他の俳優さんからお芝居の話を聞く機会がなかったから、たくさん話を聞いて、勉強にもなりました。

――酒井麻衣監督の演出はいかがでしたか。

とてもきれいな映像を撮られる監督さんという印象があって、一つひとつの動作や表情まですごくこだわられていました。

けど、お芝居に関しては「こうしてください」ではなく、「こういうのはどうですか?」と、提案をしてくださる形で、演じる側にめちゃくちゃ寄り添ってくださいました。お芝居がしやすかったです。コミカルなシーンだと思いっきり笑ってくださったり、素敵な監督さんでした。