「まさかこの季節に……」
――ご自身で完成作を観たときはどう思いましたか。
撮影をして、2ヶ月後くらいには完成していたので、ついこの間の記憶が一つの映像になっているようで、不思議な感覚がありました。
一つひとつのシーンにすごく思い入れがあるし、自分が出ていないシーンに関しては、初めて目にするのでワクワクしたし、どのシーンを切り取ってもすごくきれいな画になっているし、キュンキュンするし、「これこそが少女漫画の実写化」というぐらい眩しかったです。
――わりと客観的に観ることができたんですね。
そうですね。お客さんとして観ることができました。でもエモい気持ちにはなりました。思い出がたくさん詰まっていたので。
――観ていて、撮影時を思い出すことも?
中学生のシーンは、クランクインでもあったので、まだ英二というものを探っているところもあって、ドキドキしたなっていう想いが蘇ってきました。
花火大会とか、文化祭とか、イベントのシーンは、みんなでアドリブを考えたり、一緒に乗り越えた感覚が強かったので、改めて「みんなのおかげでここまで来れたんだ」という、感謝の気持ちも湧いてきました。
アドリブは自分が出てしまってもダメなので、キャラをしっかりと守りながら、みんなで「こういう感じにしよう」って話して。難しかったけど、楽しかったです。
――まさに“ザ・青春”と言えるような、制服のまま海に飛び込むシーンの撮影はどうでしたか。
台本を読んで、初めてそのシーンがあると知ったとき、「まさかこの季節に……」とは思いました(笑)。春の撮影だったので。しかも、前日に雨が降って、すごく水も冷たかったんです。濡れてしまうから、失敗はできないという気持ちで、(窪塚、莉子と)円陣を組んでから挑みました。
完成作で観てみたら、寒さを感じさせない、夏の青春というものになっていたので良かったです。あの時の苦しさは、スタッフさんと僕たちだけの秘密です(笑)。