社会保険に関する年収の壁を超えるメリット・デメリット
社会保険に加入することで、目先の手取り額が減ってしまうと残念な気持ちになる方もいらっしゃるかもしれませんが、長期の目線でみると実はメリットも大きいです。
メリット
社会保険に加入することで、将来の安心と安定を増やすことができます。
例えば、以下のようなメリットがあります。
・将来受け取る年金額の増加
・業務外の病気や怪我で会社を休んだ時に、傷病手当金が受け取れる
・出産時の手当金が受け取れる
・社会保険料は労使折半
・働く時間が増えることで、職場での昇給やキャリアアップにつながる可能性あり
これらの中でも、一番のメリットは厚生年金に加入すると将来受け取る年金額が増えることです。
例えば、年間給与120万円で厚生年金に25年加入した場合、年金を65歳~80歳まで15年間受給すると、累計220万円の増額になります。高齢期の収入の柱は年金がメインですので、その金額が増えるのは心強いですね。
デメリット
デメリットは、社会保険料や税金が増額する分、収入に対する手取り額が減少することです。また、配偶者の勤務先からいわゆる配偶者手当が出ている場合、受け取れなくなる可能性があります。
メリット・デメリットそれぞれありますが、年金定期便や年金ネットで自分が将来受け取れる公的年金額を調べてみて、増やしたいと思ったら厚生年金に加入すると上乗せすることができます。
長期目線でみると、年金額の増額だけでなく、傷病手当金が出るので、病気や怪我をして収入が減るリスクをカバーすることもできます。
今の収入は、今の生活のためだけでなく、将来の自分のためのお金でもあります。将来の自分も支えるために、働き方を考えたり社会保障制度を理解したり、年収の壁に捕らわれず、長期の目線で働き方を考えて行動に移すことが重要です。
目先の収入だけでなく、将来にわたっての収入を考えて、経済的な不安を減らして、将来に備えることができる自分に合った働き方が見つかるといいですね。
【執筆者プロフィール】
田端 沙織(たばた さおり)
キッズ・マネー・ステーション認定講師/ファイナンシャルプランナー
証券・運用会社で10年超の勤務経験を活かし、ファイナンシャルプランナー・金融教育家として「正しく・分かりやすく」お金のことや資産運用について伝える講座や相談業務を行っています。得意分野は資産運用。小学生2人と保育園児1人の3児を絶賛子育て中。