絶品!初体験の美味に驚き

「なんですか、これは?」シュラスコを届けてくれたブラジル人に訊ねた。

「パイナップルです」

「パイナップル? ブラジルではパイナップルを焼いて食べるの?」

「ハイ、大好きです」

パイナップルを食べる機会は少ないが、焼いて食べたことは一度もない。

ナイフで切り、食べてみた。アップルパイのような香り。焼くことで甘みが凝縮されている。缶詰のパイナップルよりも旨いかも。

「自家製のシナモンソースをかけて焼いてあります。うちの料理の中で、このパイナップルが一番好きだと言ってくださるお客さんも多いです」

この店は2006年に開業した。ブラジル生まれのスポーツブランド、アスレタが親会社。浅草はサンバカーニバルで有名だが、ブラジル料理店がなかったことから、飲食事業部を設立。ポルトガル語で〈ベリーグッド〉を意味する「キボン!」をオープン。

現在開催中のロシアWカップのブラジル戦を店で観戦するサッカーファンも多く、夜は月曜以外は予約でほぼ満席。

ディナーは男性3,780円、女性3,240円。

ランチは量り売り。シュラスコなどのブラジル料理に加え、肉がごろごろ入ったカレーを100グラム200円(土日祝日は220円)で食べられる。ご飯類も同じ料金なので、肉を食べた方がお得かも。

この夜、肉を食べ終えてはじめて気づいたことがある。牛肉の煮込みもフェイジョアーダも、煮込み料理をまったく食べずじまいだった。サラダを少し食べたと思ったら、シュラスコを食べ続け、いつの間にやら腹いっぱい。

「初回はペース配分を誤る人が多いんですよ。あれも食べなかった、これも食べられなかって、後悔されています(大笑)」

なぜ失敗したのか。この〈敗戦〉を教訓にし、次回のブラジル戦に望もう。ランチを抜いてきたほうがいいかも。

●キボン!

住所/東京都台東区西浅草2-15-13 日光社ビルB1F
電話/ 03-5826-1538
営業/11:30~15:00(LO14:30)、17:00~23:00(LO22:00)
無休 ランチもディナーも予約可

飲み放題は別途2,500円。※料金はすべて税込

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。