<自分と関わった人の感情を、絶対に放置しない。そして、全員が笑顔であることを望む>
その小さい紙には、ディレクターの似顔絵が、落書きのように、しかし、愛情をたっぷり注がれて描かれていたのです。
「そのディレクターが、容姿とは違って繊細な人であることや、口ベタだが思いのある取材をすること、きっとあのやりとりを気にしちゃうまじめなタイプだということを感じていたのだろう。しかも、気にするなとか、気にしてないよ、などという微妙なフォローの言葉でかえって相手に気を遣わせるのではなく、ただただ愛情だけを伝えたのだ。
(中略)自分と関わった人の感情を、絶対に放置しない。そして、全員が笑顔であることを望む。ことごとく、そういう人なのである」(同書より)
相手の気持ちを汲み取り、それでいてその人に最も適した形で気持ちを伝える。言葉にすると簡単ですが、なかなかこれを実行に移すことは難しいもの。しかも、ただ心配している間柄ではなく、一度相手に対して怒りを見せているという状況。筆者のように小さなプライドだけを持っていると、なかなか自分の方から歩み寄るということはできません。
自分がアイドルだからって、変なプライドを持っているわけではない井ノ原さん。まさにその奥深さを感じるエピソードです。
有働アナの自由な姿を横でニコニコしながら見て、時折、愛情のあるツッコミを入れる。そんな井ノ原さんの存在が同番組を雰囲気の良いものにしているのでしょう。自分の意見を的確に持つだけでなく、深く人を思いやる。かといって真面目な面だけでなく、楽しむ時は誰よりも楽しむ。自分も早くそんな大人になりたい!!
明日も朝から『マッサン』→『あさイチ』コースで決まりですね。いのっち、今日もええ男やーん。
【書籍情報】『ウドウロク』有働由美子著 新潮社