いまは電気もガスも発達していて、バーベキューをするときも、特に火おこしをする必要はありませんよね。

そんな中、子どもに火おこしや屋外での炊事体験をさせることは、とても貴重な体験。大人もなかなか体験したことはないのではないでしょうか?

この火おこし・炊事体験がこどもにもたらすメリットを専門家に聞いてみました!

火おこしってどうやるの?

そもそも火おこしはどうやるのでしょう? ガスがない場合、ライターで火をつけたり、マッチをすったりすれば火はつきます。でも、マッチがない時代は、木と弓の摩擦で火を起こしていました。

火おこし体験でよく子どもたちが体験するのが、舞ぎり式や弓ぎり式、ひもぎり式、火打ち石を使う方式など。

日本あかり博物館のページによると、舞ぎり式は、火きりうすという穴の空いた木の板の上に火きりぎねという木の棒を立て、紐を巻きつけて、はずみ板というものを上下に動かすことで火きりぎねを回転させます。すると、木と木の摩擦熱で、けむりが出てきて火種ができ、火種に木の先を近づけて、火をうつしとります。

火おこし自体はとても単純ですが、この道具のしくみは精巧ですよね。

子どもに火おこし体験をさせるメリットは?

このように、ゼロから火をおこす体験を子どもにさせることには、どんなメリットがあるのでしょうか? 普段、ファミリーなどが気軽に火おこしや炊事などの体験ができる三浦YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジの野外施設の担当・森田義彦さんに教えていただきました。

火の神秘性に興味を覚える

森田義彦さん(以下、森田)「いつもはスイッチひとつで付く火が、火おこし体験では多くの時間をかけて生まれることを知ります。すると、火の持つ神秘性に興味を覚えるようになります」

創意工夫する意識が芽生える

森田「火おこしは一通りでなく、気温、湿度、火付けの材料によって幾通りもやり方はありますので、自分で工夫をする意識が身につくでしょう。これにより、他のことも工夫するスキルが培われるでしょう」

人との助け合いの意味を学べる

森田「火はなかなかおきないことが多いですし、特に大人の協力を得ることでおこるという流れになるのが一般的です。これにより、他者との協力、助け合いの意味に触れることができるでしょう」

火の重要性に気付く・役割意識が芽生える

森田「なかなかおきない貴重な火の持つ重要性に気づき、自然と火を絶やさないようにするよう行動するようになります。役割として火の番や調理担当を設けると、しっかりと火を維持したり、調理を担当したりするようになります」

食の大切さを実感する

森田「大切な火で作った野外料理は、苦労の賜物。大切に食する経験から、普段の食生活にも大きく影響するでしょう。食前の『いただきます』の言葉も感謝の気持ちがよりこもるようになります」

火の危険性を理解する

森田「火は正しく用いれば有用ですが、使い方を誤ると危険であることを理解するようになります」