青山学院大学の5連覇がかかる第95回東京箱根間往復大学駅伝競走。前回は青山学院大学・神奈川大学・東海大学の3強と言われながらも、圧倒的な力で青山学院大学が優勝。青山学院大学は5連覇できるのか。青山学院大学を倒す大学は出てくるのか。
かつて駒澤大学の黄金期を支えた西田隆維さん(以下:西田)と駒澤大学陸上競技部OBで駅伝主務だったM高史さん(以下:M)に加え、今年は日本記録を16年ぶりに更新した設楽悠太選手のモノマネをし、自身も神奈川大学で箱根駅伝を目指していたポップラインの萩原拓也(もしか設楽)さん(以下:萩原)に箱根駅伝2019の優勝校の予想と見どころを聞いてみました。
■優勝予想
―ずばり優勝校は
西田:青学でいいじゃん。
(一同笑い)
西田:いいんじゃないの。青学でしょ。
―優勝予想がこれで終わってしまうので、改めて、優勝校とその根拠を伺いと思います。
M:青学じゃないですか。
萩原:青学でしょうね。
―ちなみに昨年、西田さんとM高史さんは思い切り予想を外しています。
(昨年の予想はこちら:【箱根駅伝】優勝経験者が語る!2018の注目の見どころと優勝予想!
萩原:じゃあ、ここでの予想が外れるって流れがあるとしたら、青学が優勝しないってこともあるかもしれませんよ。
―青学優勝の根拠
西田:出雲・全日本での戦い方やレース展開とかの流れがすごくいいですよね。田村・下田というエースが抜けても森田が残っているし、上りも下りも経験者がいるっていうのは盤石だよね。
M:エースがいて、選手層が厚く、上りも下りも強いってなると弱点がない。
西田:シンプルに予想したら青学になりますよね。予想を面白くする必要ある?(笑)
■青学を倒す方法はあるのか
―ダークホースとなるチームは
M:東洋大学は箱根駅伝への調整が上手いですよね。10年連続3位以内にいる安定感はすごいと思います。
西田:東洋は下りで抜かれたんだっけ?
M:そうですね。決して遅くはなかったんですけど、青学の小野田選手が速すぎましたよね。
西田:でも6区は順位を守らないとダメだよね。6区で流れを奪われたら厳しい。当たり前だけど勝つチームって譲らない、抜かせないってことがしっかりできている。
―前回大会も注目されて、今年も10000mの平均タイムがいい東海大学はダークホースになる?
M:ゴールデン世代って呼ばれていた学年が上級生の3年生になりましたね。去年までは比較的トラック種目に力を注いでいましたけど、今年は箱根駅伝に力を入れるといって、距離も増やしてトレーニングをしてきたみたいです。
萩原:東海といえばスピードランナーが揃っていますよね。
西田:でも、10人の10000mの平均タイムというより、16人の平均タイムの方が大事かな。8人とか10人揃えるのは何となるけど、層が厚いかどうかって16人の平均タイムを見ないと分からない。そういう点で見ても青学の層の厚さは他の大学より抜けているね。
M:青学って2年生までに14分30秒切らなかったらマネージャーになるみたいですよ。
西田:そういうチーム作りって、たしかにレベルが高くなっていくかもね。それも今の青学の強さを作った一つかもね。
―ダークホースがなかなか出てきませんが…
萩原:ダークホースというチームを挙げるなら、神大は期待できると思いますし、注目してほしいと思います。実は去年、全日本大学駅伝を優勝したときと流れが似ているんです。
今年って神大への注目度低いですよね?これって、去年の全日本大学駅伝優勝のときと雰囲気がすごく似てて、そのときも注目されていなかったんです。歯車があえば優勝できるって力を持っていると思います。
1区は山藤選手、2区に越川選手、3区に多和田選手。4区に安田選手。昨年失敗していますが、5区にもう1回、荻野選手っていう区間配置ができたら往路はかなりいいところにいくと思います。
駅伝って勢いとか流れがすごく大事で、ブレーキっていうのは抜きにして、流れに乗っちゃうと復路は意外と抜かれないんですよ。なので、往路で流れを作って、復路もその流れに乗れれば神大は期待できると思います。
西田:そうなると流れをキープしたり、新たに流れを作る6区は重要だよね。6区の出来が勝負を分けているかもね。
M:山でいうと、法政は5区・6区は強いですよね。しかも10000mの平均タイムも速いので実は法政もダークホースになるかもですね。
西田:駒大の大八木監督は常に3位以内というのを目標としてるし、予選会の走りを見ても駒大にも注目でしょ。
M:今年は調整とか合宿とか例年と違っているみたいです。強化合宿と選抜合宿とかでは一日3部練だったのを2部練にしたりしているようです。それが今年の予選会にぴたっとハマりましたよね。
萩原:ピーキングもうまくいっているんじゃないですかね。
M:そうですね。箱根本番でもピーキングが上手くいったら期待できますね。
西田:あと帝京も楽しみなチームなんだよね。
M:インターバルトレーニングの設定タイムがそんなに速くないって聞きました。1km3分ペースでインターバルして、10000mを28分30秒とかで走れちゃうって。
萩原:帝京の強さは謎ですよね。
西田:僕の頃の駒沢はそんな感じだよ。1km3分切りとかでインターバールしてて、28分30秒で走る選手が結構いたからね。そういうトレーニング方法もあるし、それがハマる選手もいるんだよね。
M:中央学院大学は練習量少ないけど補強が多いって聞きました。
萩原:中央学院大学は10000mの平均タイムも速いし、もしかしたらダークホースになりえるかもしれませんね。
M:3位~12位くらいまでは、ちょっとしたことで順位変動しそうですね。ハマれば3位とかにくるし、ちょっとミスったら一気にシード圏外ってこともあるような気がします。トップ3を目指している大学も2区間くらいでミスったらシード争いまでいっちゃかも。
西田:青学がポンッと出て、東洋、駒沢ときて、その後、東海・神大・中央学院・帝京がくるって感じかな。