待望の映画第2作が公開される『HERO』。なかでも木村拓哉演じる主人公・久利生公平は、型破りながらも筋の通った正義感にあふれた“名言”を、作中に数多く残している。

そこでテレビドラマシリーズ~スペシャル~映画シリーズから、久利生公平の名言をプレイバック。彼の発言をもとに、人々を魅了する『HERO』の世界観を振り返ってみたい。

今回はテレビドラマ特別編・劇場版第1作のなかから、珠玉の名セリフをご紹介。あなたの記憶に残るセリフはどれ?

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テレビドラマ特別編

「俺は滝田さんがいい人かどうか調べてるんじゃないんですよ。あの人が何をしたか調べてるんですよ」(特別編)

山口県の虹ヶ浦支部に赴任した久利生は、この町で起きた殺人事件を担当することに。虹ヶ浦の町の発展を支える鴨井産業の専務・滝田(中井貴一)の逮捕で、彼を慕っている町の住人は虹ヶ浦支部の人たちへ冷たい視線を向ける。

そんな中で、なおも調査を行おうとする久利生に批判的になる虹ヶ浦の人たち。被疑者が人格者であるだけに、その人を見る目は誰もが曇りがちになってしまう。

そこで真実を見極めるのはとても難しいことかもしれないけど、やらなければいけない。この言葉は、それまで久利生の行動に納得のいかない思いを抱いていた津軽(堤真一)やりり子(綾瀬はるか)、虹ヶ浦支部の人々の心を大きく動かした。

「ご存知ですか? この国の法律って、被疑者の起訴、不起訴を決める権限を検察って組織じゃなくて、検察官個人に与えてるんです。

これって、結構とんでもないことなんですよ。神様でもない俺たちが、その人を裁判にかけるかどうか決めていいんですから。

でも、だからこそ、俺たちは相手がどんな立場の人でも、周囲からどんなに同情されていても惑わされることなく公正な目で被疑者と向き合わなきゃいけないんです。真実を、納得いくまで追究する。それが俺たちの義務なんです。

三ノ宮さんのやったことはひどいことかもしれません。でも、怒りにまかせて殺していいなんて権利は誰にもないんです。そんなふうに扱われる命は、この国にはないんです。

俺はとことん粘りますよ。この町の人全員に嫌われても。これが真実だって、納得いくまで絶対にあきらめませんから」(特別編)

「HERO」では久利生が検事である自分の責務や信念を語るシーンが何度かある。この言葉も検事という仕事への誇りと、責務の重さを実感している彼だからこそのものだろう。

真実を追究する時の久利生の中には優しさだけでなく厳しさも宿っている。そのブレのなさが久利生という人間であり、城西支部だけでなく彼が赴任したさまざまな地検の人たちの心をも動かしてきたに違いない。

ちなみに、この久利生が滝田を取り調べるシーンは長回しで撮影されており、木村、中井、堤が緊迫感ある空気を生み出していて見ごたえのあるものとなっている。